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信州発 “農”と言える日本人 【13】

2010年04月26日

ベジフルコミュニティながのの総会が開かれた

         高見澤勇太


 長野県内の野菜ソムリエが集まる「べジフルコミュニティながの」(以後べジフルながの)の4回目の総会が、3月に長野市で開催されました。
 今回の目玉は、「代表の交代」と野菜ソムリエ協会「福井理事長の基調講演」でした。


 べジフルながの平成20・21年度の代表は、不肖私高見澤でした。平成22年度からは、フリーアナウンサーで農家の嫁でもある、『太田奈穂』さん(32)が就任しました。
 太田新代表は、野菜ソムリエの資格の中でも最も難しい「シニア野菜ソムリエ」に認定された逸材です。長野県内では初めての取得者です。
 野菜ソムリエは、次のような3段階に分かれています。


○初級の「ジュニア野菜ソムリエ」
 野菜や果物の基礎知識を学んで、自らの日々の生活に役立てる。

○中級の「野菜ソムリエ」
 野菜・果物の生産、品目、青果物と健康、歴史と時事、マーケティングなどを学び、畑から食卓までの幅広い知識とプレゼンテーション能力を養う。

○上級の「シニア野菜ソムリエ」
 “実践的なゼネラリスト”を養成するコース。「食の業界知識」「農業」「健康指導と食育」「店舗マーケティング」「料理」といった各ジャンルをより実践的・具体的に学ぶ。

 現在、野菜ソムリエの資格取得者は、全国で約3万人余り、その中でシニア野菜ソムリエは、50人程しか取得していません。


 職業を“野菜ソムリエ”と名乗ることになった、べジフルながの太田代表は、ラジオやテレビの仕事、企業のレシピ開発の監修、講演など、忙しい毎日を送っています。ですが、「あまりあせらずスローペースでやっていきたい」「将来は、畑の中で料理教室を開きたい」と話します。
 ほのぼのとした語り口調とその笑顔は、周りの人を癒すオーラを持っています。きっと『野菜・果物を通して人を幸せにしてくれる』、そんなことを予感させられました。


 福井栄治・野菜ソムリエ協会理事長の基調講演では、
◇野菜ソムリエ協会が「なぜ10年ほどでこれだけ大きくなったのか」
◇生活者の視点が大事「顧客ニーズは30年間変わっていない」
◇情報をいくら集めても何も始まらない「日々の生活の中にきっかけがある」
◇卒業証書自体は「タダの紙切れ」。それなのになぜ人はそれを求めるのか
◇数字は誤解を生む余地がない
 などの話がありました。くわしい説明は、福井さんの著書「野菜ソムリエをつくったわけ」をお読みください。


 講演の最後に、「今日、皆さんは、私の講演を聞いて“分かったつもり”になっているだけかもしれません。今晩24時までに、今日の話を“自分の言葉”でまとめて、私にメールしてください」と言われました。
 いろいろな講演会で、講師の話を聞いて、感心して・納得して、帰る。しかし、何が分かったのか書き出してみないと、分かっていなかったことや、間違った受け取り方をしていることが多いそうです。講師の話がうまいと、その時だけ「分かったマジック」にかかって、納得してしまっているからだそうです。と聞いて、なるほどと納得しました。


 講演終了後には、昼食兼・交流会が催され、会議では話せない素朴な疑問なども出され、また、野菜をたっぷり使ったおいしい料理を味わいながら、楽しい時間を過ごしました。

  

  

たかみざわ ゆうた

1964年長野県生まれ 北佐久農業高校卒業後、すぐに家業である農家の後を継ぐ。長野県農業士協会会長(07・08年)、野菜ソムリエながの代表(08・09年) 、南牧村議会議員(07年~11年)。座右の銘は「ゆるく・楽しく・美しく」


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