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信州発 “農”と言える日本人 【3】

2009年06月11日

とうもろこしが織りなす縁

         高見澤勇太

 長野県農業士協会・北佐久支部が主催する「とうもろこしイベント」が、6月6日(土)に開催されました。今回は第1回目の“とうもろこしの定植祭り”で、軽井沢町のお隣、御代田町の圃場約10aを借りて行われました。


 今年で3回目になるこのイベントは、北佐久支部の活動資金の調達がメインですが、様々な側面を持っています。そのひとつは、地域や他団体の方との交流です。
 今回参加した人は、べジフルコミュニティーながの(野菜ソムリエ)の方、長野県で新規就農をめざす派遣社員、公務員、居酒屋のおかみさんと野菜大好きな料理人、といった多彩な面々です。昨年はロハスクラブネットワークの方が首都圏から参加したそうで、そのときも盛会だったそうです。


  


 参加者の中から、長野県で新規就農を目指す、現在派遣社員の星田さんにズームイン!
 星田さんは北海道生まれ、現在は奥さんと二人で長野県佐久市に在住。今は農業と無縁の職業に就いているが、どうしても長野県で農業がやりたい! と考えています。そのきっかけは、オーストラリアでのバックパッカー(以後BP)体験だそうです。BPは、リュッククサックひとつを背負って旅をする人です。


 BPはいろんな国からやってきますが、お金が無いのです。オーストラリアには、そんなお金の無いBPの若者たちが、地方の農家でアルバイトをして旅費を稼ぎ、旅を続けられるシステムがあるといいます。
 星田さんは、オーストラリアでブドウの収穫・イチゴの植え付けと収穫を体験し、日本でもこれと同じシステムができないか模索しています。それには、まず自分が農業のことを勉強しなければ・・・と。
 長野県が好き、農業が好きという星田さん。これからの活動を応援していきたいと、今回参加したみんなが思ったのでした。


 さて、とうもろこしの話に戻ります。
 次回のイベントは、ベビーコーンを収穫して味わう、“ベビーコーン祭り”で、7月の下旬にあります。一本のとうもろこしから大きい房を取るために除去する小さい房を、「ベビーコーンとして食べちゃお~」という企画です。採りたてのベビーコーンがうまいと評判だそうです。


   


  


 そして、いよいよお待ちかね、本番の収穫祭“とうもろこしのもぎ取り大会”は、8月中旬に予定されています。収穫体験をしたことがない方も多いので、実際に畑に生ったとうもろこしをもぎ取って感動、そして、そのとうもろこしを食べた時のうまさにまた感動! 笑顔の絶えない一日になるそうです。


 長野県農業士協会・北佐久支部の会員は、お米農家・野菜農家・花・酪農と幅広い作目があります。とうもろこしを通して、会員以外の異業種の方々との交流から新しい発想が生まれ、農業の新しいスタイルを見出して行く、そんな予感がした筆者でありました。


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たかみざわ ゆうた

1964年長野県生まれ 北佐久農業高校卒業後、すぐに家業である農家の後を継ぐ。長野県農業士協会会長(07・08年)、野菜ソムリエながの代表(08・09年) 、南牧村議会議員(07年~11年)。座右の銘は「ゆるく・楽しく・美しく」


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