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麦・大豆

麦編 播種期と播種量

(2022年1月 改訂)

はじめに

 麦の高品質・安定生産を図るためには、第一に良好な出芽苗立ちの確保が重要です。そのための適当な播種期、播種量などについて解説します。

播種適期

●地域ごとの播種の適期は、北海道の秋播き小麦が9月中~下旬頃、東北は北東北が9月上旬~10月上旬頃、南東北が9月下旬~10月下旬頃、関東は11月上~下旬頃、北陸は大麦が中心で9月下旬~10月下旬頃、東海から九州にかけては11月中~12月上旬頃です。
●一般的に寒い地域ほど播種期を早くし、暖かい地域ほど遅くします。
●北海道の一部にある春播き小麦は、4月の融雪後、速やかに播種します。
●各地域の麦の主産道県における主要品種の播種期と播種量は、以下の通りです。

表1 各地域の麦主産道県における主要品種の播種適期と播種量 2022mugi_hashu_h1.jpg

●早い播種は、凍霜害や縞萎縮病が発生しやすくなります。
●近年は暖冬年が多いことから、早い播種は生育前半に過繁茂になり、生育後半に凋落し、倒伏や減収につながるので、注意します。
●遅い播種は、穂数が少なくなり、減収する危険性が高まります。
●やむをえず適期より遅れた場合は、種子を1~2割程度増量し、苗立数の確保を図ります。

適正播種量

●一般的な栽培法であるドリル播きでは、10a当たり6~10kgが適当です。
●一部に行われている全面全層播き(ばら播き)では、10~14kgと多めに播種します。

播種深さ

●播種の深さは2~3cmが適当です。
●浅すぎると乾燥や除草剤の影響を受けやすく、深すぎると苗立数の低下や、その後の生育に悪影響を及ぼします。

2022mugi_hashu_1.jpg  2022mugi_hashu_2.jpg
播種深度の異なる小麦の出芽(播種後15日)
播種深3cm(左)(上)と播種深6cm(右)(下)


2022mugi_hashu_3.jpg
播種深の異なる小麦の初期生育の様子(播種後29日) 

執筆者 
内藤健二
埼玉県農業技術研究センター 水田高度利用担当

(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

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