レタスの栽培体系
圃場準備
●土壌診断結果に基づき施肥設計を行ないます。
●10aあたりの標準的な施肥量は窒素15kg、リン酸18kg、カリ20kgですが、レタスは、品種により施肥反応特性が異なるため、地力窒素や作型、栽培品種の特性に合わせて基肥量を決定します。
●堆肥は、2t/10a程度をマニュアスプレッダで散布します。
施肥、耕うん、うね立て、マルチング作業
●ロータリー耕により、耕起・砕土・整地作業を行います。
●石灰質資材や熔成燐肥などの小粒肥料はライムソワを、化成肥料など粒形の資材はブロードキャスタをトラクターに装着し、土壌診断に基づいた施肥量を散布します。
●マルチング用機械(全面マルチャー)で条間45cmのうねを立て、作業と同時にマルチ被覆を行います。
●マルチ資材は、低温期の春どり作型では、地温上昇を目的に「黒色ポリマルチ」を、高温期の初夏どりから夏秋作型では、地温抑制のため「白黒マルチ」を使用します。
全面マルチャー
育苗
●育苗作型が主体で、セル成型育苗や一部でペーパーポット育苗が行なわれます。
●育苗には、春どり作型は200穴トレイ、夏秋どり作型では288穴トレイやペーパーポットが用いられます(水稲用育苗箱や専用アンダートレイの上に、セルトレイを置いて使用)。
●育苗箱(トレイ)に、主にピートモスなどが入った軽量培養土を詰め、播種器で1穴に1粒ずつ播種し、細粒のバーミキュライトなどで覆土を行います(コーティング種子)。
●早春の低温期や夏の農繁期には共同育苗が活用され、この施設では、土詰め機や播種機が利用されます。
●近年、大規模経営体等を中心に全自動播種機の導入が進んでおり、播種作業がほぼ1人で行なえ、省力・効率化(別表参照)を図っています(作業工程の写真:別添)。
共同育苗施設の播種
全自動播種機
●育苗温度は、最低5℃、最高23℃を目標に管理します。
●特に高温期は、苗がシャモジ葉となるだけでなく、25℃以上で種子の発芽率が劣るため、温度管理には注意が必要です。
●天候に合わせて灌水を行い、展開葉数3.5枚程度の苗に仕上げます。
育苗
定植
●全面被覆したマルチ資材に株間25cm~27cm間隔で穴を開け、定植します。
●深植えや斜め植えは球底部の変形につながるので、注意しながら定植します。
●地域によっては、移植機を利用した機械定植も行われています。
定植直後(左)(上)と定植後(右)(下)
長野県農政部 堀 澄人
(育苗一部改変) 田中 真延
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