提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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農作業便利帖


野菜編:果菜類

ソラマメ栽培の作業体系

圃場準備

●畑に硬盤があると根が深くまで伸長できず、乾燥害や湿害が発生するので、プラウ等で深耕します。


左から上から プラウ耕 / プラソイラ

●堆肥1,000kg/10aを全面に施用します。(溝施肥の場合は500kg/10a程度)
●土壌pHが5.5~6.5になるように石灰資材を施用します。また、リン資材も全面散布します。
マニュアスプレッダライムソワー
左から上から マニュアスプレッダ / ライムソワー 

●管理機で溝を掘り、元肥を施用した後混和し、土壌消毒・畦立・マルチ一貫作業機で畦立てします。
●9月中旬までの播種はミラーマルチを、9月下旬は白黒マルチ、10月以降は黒マルチを使用します(西南暖地)。 
※ミラーマルチは、土壌消毒剤で劣化するのでポリマルチで被覆し、20日程度後に張り替えます。

歩行型畦立消毒マルチ一貫作業機乗用型畦立消毒マルチ一貫作業機
畦立消毒マルチ一貫作業機。 左から上から 歩行型 / 乗用型 

作型

●西南暖地の無霜地帯では、9月上旬から播種します。
●露地の普通作型では、あまり早く播種すると寒害を受けやすくなるので10月下旬頃播種します。
●地域により播種期が異なるので、各地域で適した時期に播種します。 

催芽処理

●一般的に、発芽を揃えるため、催芽を行います。
●水稲の播種箱等に消毒した砂を入れ、オハグロを下向きにします。播種の深さは、種子が隠れる程度とします。
●播種後、発芽を良好にするために、塩化カルシウムの400倍を灌水します。
●3~4日程度で幼根が5mm程度に伸びたら、きれいに水洗いします。
●10月中旬までに播種する作型では、自然状態では花芽分化しないので、催芽種子を3℃に保ち、1カ月程度低温処理します。
●処理後は、1日涼しいところで順化します。

播種

●直接播種する場合と、9cmポットで育苗する場合があります。
●根を折らないように、オハグロの部分を下向きにして、種子が隠れる程度に播種します。
●育苗する場合の期間は、14~20日程度です。定植が遅くなると活着が悪くなります。
●株間は45cm程度とします。

整枝、防風対策

●主枝を5節程度で摘心し、下節位から発生する側枝を4~5本残し、U字に誘引します。
●側枝を3~4本残した1条L字誘引も行われています。
●関東以北では、霜害等で芯どまりする恐れもあるので、太い側枝を8本程度残すようにします。
●株元から発生するそれ以外の脇芽は、随時切除します。
●季節風害を回避するため、防風ネットを設置します。

U字誘引の芽かき作業1条L字誘引の芽かき作業
左から上から U字誘引の芽かき作業 / 1条L字誘引の芽かき作業

支柱打ち込み機(防風ネット設置時利用)
支柱打ち込み機(防風ネット設置時利用) 

追肥

●莢が着き始めたら、窒素成分で2kg/10a程度追肥します。 

摘花・摘莢

●1節に5花程度開花します。
●1節に複数の莢が着くと曲がり莢などが多くなるので、2花に摘花し、莢が5cmぐらいのころに1節1莢に摘莢します。

防除

●アブラムシ、ハスモンヨトウ、さび病、赤色斑点病などの病害虫が発生しますので、発生初期の防除に努めます。

ラジコン動噴自走式防除機
左から上から ラジコン動噴 / 自走式防除機

収穫

●莢がやや下を向き、子実のふくらみが外観から判断でき、莢に光沢がでてきた頃、また、莢を剥いた時に、オハグロの部分のへたが容易にはずれ、黒い線が入る頃が適期です。
●気温が高くなると収穫適期が短くなるので、遅れないように収穫します。

執筆者
三角 洋造
鹿児島県農業開発総合センター普及情報課

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