ジャガイモの栽培体系
圃場準備
●ジャガイモは未熟堆肥や石灰質資材を入れすぎると、そうか病が発生しやすくなります。10a当たり完熟堆肥500~1,000kg、石灰質資材は土壌pHが低すぎる場合は40kgを目安に、植付けの1ケ月前までに施用し、耕耘します。
耕耘作業(トラクタ)
●土壌病害虫の多発圃場は、薬剤により土壌消毒を行います。(土壌消毒機)
全面マルチ土壌消毒機
●基肥は、植付け前に圃場全面に施用し耕耘しておく全層施用と、植付け覆土後に条施用する方法があります。条施用では、全層施用に較べて2割程度の減肥が可能です。
●機械を利用して、種いも植え付けと同時に培土し、その上に肥料を条状に肥料を施用することもできます。
左上 :全層施肥(ブロードキャスタ等) / 右下 :条施肥(人力)
種いも準備
●種いもは、無病いも(植物防疫検査済み)を準備します。
●種いもは、土壌病害を予防するため、萌芽する前に薬剤消毒を行います。
※注意:消毒した種いもは食用、飼料用には使用できません。
●種いもは、1片重が30~50g程度になるよう2~4つに縦切りし、準備しておきます。頂芽(目が集まっているところ)が均等になるように切ると出芽時期の揃いが良くなります。
左 :種いも切断作業 / 右 :発芽した種いも
植付け
●暖地では、1年間で春作、秋作の2回の栽培が可能です。
※長崎県の植付け時期:春作マルチ栽培は1~2月、秋作露地栽培は8月下旬~9月中旬
左 :春作マルチ栽培 / 右 :秋作露地栽培
●種いもは切口を下にして20~25cm間隔に配置し、覆土します。
●マルチ栽培では厚めに覆土しておきます。
ポテトプランター
防除
●多湿条件で蔓延する疫病や強風後に多発する軟腐病、害虫ではアブラムシ類やジャガイモガ、ヨトウガ類の防除を中心に行います。
●大規模栽培では、無人航空機を使用した防除も行われています。
左から上から 動力噴霧機、動力噴霧器を使用した地上防除
左 :無人ヘリ / 右 :ドローン
平野 元
長崎県 農林部 農政課 技術普及・高度化支援班
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