安全編(1) 農作業事故の実態 I
他産業との比較
全国における農作業死亡事故の実態は、昭和46年から平成20年まで毎年400名程度と変わらない。ところが、建設業や交通事故による死亡件数は減少している。
注 :農林水産省「農作業事故調査表」、厚生労働省「労働災害発生状況」、警察庁「交通事故統計」より
農作業死亡事故の実態
農作業死亡事故の内訳は、グラフの通りである。昭和年代と近年では、農業機械による事故の形態も変化してきている。
農作業事故として扱われるのは、農作業のための準備段階から、終了後の後片付けまでの時間帯に発生したものである。
つまり、格納庫からトラクタを出す前、自宅から格納庫までの間の事故も、農作業事故として取り扱われる場合もある。
近年、農村地域も道路整備が進んできたとはいえ、未舗装道路も多い。
トラクタ事故で最も多い転落・転倒事故は、圃場内・農道・圃場出入口での発生が多い。
他産業に比べ、農作業死亡事故件数が減少しないのはなぜか。
1 農作業は一人作業が多い
2 作業環境(圃場・農道等)が悪く、天候の影響も受けやすい
3 動物・作物が対象であるため、作業内容・環境が日々変化する
4 1年間で同じ作業内容のものが少なく、期間も短い
5 農業機械など専用機が多い割に、年間の使用時間が短い
6 経営主=労働者であり、法的規制などが少ない などの理由があげられる。
安全編(2) 農作業事故の実態 II▶
◆機械編もくじはこちら