基本編 農業機械の盗難防止について
農業機械盗難防止対策へのお願い
近年、農業機械、とくに大型トラクターの盗難被害が多発しており、新聞やテレビ報道番組にも取り上げられています。
防犯カメラには、倉庫内に保管している大型トラクターを3~4人が手際よく大型トラックに積み込む様子が映るなど、手慣れた組織犯による計画的な犯罪が目立ちます。
●盗難の状況と対策
平成25年、26年の農機盗難件数を月別に見ると、2月~5月の春作業と10月~11月の秋作業の時期が多く発生しています。
平成26年度の盗難農機を機種別で見るとトラクターが8割を占めており、比較的新しい高額なキャビン付き大型トラクター(50馬力以上が半数を占める)の盗難(キャビンのガラスを割るなど)が目立ちます。
盗難の状況は以下の通りです。
○格納庫から 21台(48%)
○格納庫前・敷地内から 12台(27%)
○圃場・その他から 3台(7%)
○不明 8台(18%)
農業機械の使用後は、面倒でも格納庫の中に入れ、外から農機が見えないようしっかりと施錠し、キーは本体から外して保管しましょう。さらに、出入り口をトラックなどでバリケードし、防犯カメラ、センサー付ライト、ブザー、盗難防止用器具などを設置するなど、二重三重の対策を考えましょう。
●もし農業機械が盗まれたら
農業機械が盗まれた場合には、すみやかに最寄りの交番や警察署に届け出るほか、購入先の農機販売事業者(JA、農機販売店)へも連絡をお願いします。
●「農業機械盗難被害情報共有システム」について
一般社団法人日本農業機械化協会は、盗難農機を容易に再流通できない環境づくりを行うため、関係団体と連携し、農業機械盗難情報(型式・機体番号など)を関係者で共有する「農業機械盗難被害情報共有システム」(図)を運用しています。
農業機械盗難被害情報共有システム
農機盗難情報を農機販売店が共有すると、盗難農機が販売店に持ち込まれた場合、警察に通報できますので、窃盗の抑止につながります。
加えて、盗難情報は、警察・行政・税関等の間でも情報を共有しています。
とくに税関との共有では、輸出時に通関書類記載の情報と照合するなどにより、不正輸出を阻止できるようになりました。
●万が一に備える
農機の盗難は、計画的な農作業への影響のほか、再購入費用や精神面の負担など深刻な社会問題となっています。万が一に備えて、農業機械の盗難保険(農業共済の農機具共済等)に加入することも一助かと考えます。
(この項執筆)
一般社団法人日本農業機械化協会
山田 友則
盗難防止に役立つ商品のご紹介
●エンジン始動セキュリティ機能(クボタトラクタ スラッガー)
クボタトラクタ スラッガーは、盗難を防止するためのセキュリティ機能を搭載しています。
○クボタトラクタ スラッガー
エンジン始動セキュリティ機能
エンジン始動の際にパスワード認証が必要なセキュリティ機能(暗証番号の変更、ON/OFF選択が可能)を採用しており、盗難防止に役立ちます。
▼詳細な情報はこちらから
●シャッターガード
(SG-140W)
内側からシャッターをしっかりガード。
風災害や盗難から農機具倉庫を守ります。
▼詳細な情報はこちらから
関連リンク
● 農業機械盗難防止対策への取り組みについて (一般社団法人日本農業機械化協会)
● 農機盗難防止対策 (一般社団法人日本農業機械工業会)
● 盗難防止PRパンフレット (宮城県農林水産部農産園芸環境課」)