今月の農作業(4月)
作付けシーズンがはじまります
遅霜の心配がなくなる4月から5月は、夏野菜の主役である果菜類やスイートコーンなどの作付けシーズンです。
トマトなどの果菜類は、栄養生長(茎葉や根などの栄養器官に関する生長)と、生殖生長(花器や果実、種子に関する生長)が苗のうちから始まっています。
そのため、良質な苗の確保と植え付け、肥培管理や整枝作業などが栽培のポイントになります。
トマト、ナス、キュウリ等の苗を購入する場合の着眼点
「苗半作」と言われるように苗の良し悪しは、その後の生育に大きく影響します。
そのため、生産農家は苗づくりには細心の注意を払ってきました。しかし、近年は専門の苗生産業者が苗づくりを担っています。
ホームセンターや種苗店に並ぶ苗も納めていますが、9cm径のポリポットを使用したコンパクトな接ぎ木苗が多いのが特徴です。
苗を購入する場合、良い苗の目安は下記のとおりです。
①葉と葉の間(節間)が詰まってガッチリとしている。
②トマト、ナスでは本葉が6~7枚展開して蕾が大きくなっている。キュウリでは本葉が3~4枚展開している。
③葉が厚く光沢もあり、葉色が濃い(茎の先端の開く前の葉は黄緑色)。
④葉裏を含めて、害虫や病気が見られない。
子葉が落ちてなくなり、下葉が黄変している苗、茎が硬化して、すでに花が咲いているような苗は老化している恐れがあるので、避けましょう。(※トマト、ナスでは接ぎ木方法により子葉がついていない苗があります)
購入後、植え付けまでの苗の管理にも留意しましょう。
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施肥の方法
果菜類は、元肥量を控え目にして、生育状況を見ながら何度か追肥します。追肥は成り疲れを起こす前に行なうようにします。
トマトは、第3花房が開花した頃に、最初の追肥を通路に行ないます。
スイカやカボチャでは、着果を確認したら、伸びている蔓先に追肥を行ないます。
肥料分が徐々に土中に溶出していく肥効調節型肥料を使うと、ほぼ全量を元肥として施用するので、追肥を省くことができます。
追肥に液体肥料を使用する場合は、株元にじょうろなどで散布するか、葉面散布で施用します。
植え付けのポイント
①地温が低いと活着が遅れ、植え傷みを起こします。植え付け予定の1週間前にはポリマルチをして、地温を温めておきます。
②週間天気予報を参考に、できれば晴天で穏やかな日が数日続く日を選んで植え付けます。植え付けの前には苗にかん水します。植え付け後も株元に軽くかん水をします。
③トマトでは第1花房の着生を確認して、通路側に向けて植え付けます。
④少ない株数を植付ける場合は、下の写真のようにポリ袋で苗を囲うと防寒、防風になり生育も促進されます。
肥料などの使用済みポリ袋による防寒、防風はトンネルをかけないで生長を促す方法の一つ
スイートコーン、エダマメの直まき又は植え付け
(1)直まきの場合
4月中旬になると暖かくなるため、畑への直まきも可能です。
95cm幅で2条、株間30cmのポリマルチを張り、地温の上昇を図った後にタネをまきます。スイートコーンは1穴当たり2cm程の深さに3~4粒のタネを播きます。エダマメの場合は1穴あたり2粒のタネをまきます。
発芽まで不織布を直がけすると発芽が促進されます。
(2)苗を植付ける場合
植え付け適期の苗を植えることが、特に重要です。
スイートコーンは葉数が2枚半になったら植えます。
エダマメは初生葉が開ききった時が適期です。
スイートコーン(左上)とエダマメ(右下)の植え付け適期苗
植え付けの際に苗に土寄せをしますが、ポリマルチの穴の上に土をかけ過ぎないように注意します。
植え付け後は、植え穴にかん水をして活着を促します。
降霜が心配な日には、不織布を直がけして保護します。
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