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2016年8月 4日
親子うまみ教室
山田早織
ある日息子が、学校から「親子うまみ教室」のチラシをもらってきた。
地域の協働センターで行われる催しで、「うまみ」のこと、だしのこと、だしを使った料理を作る・・・など、うまみ・だしに特化した料理教室。おもしろそう。
私は息子が離乳食のころから、自己流(もちろん、はじめは本を参考にした)でだしをとって料理している。それは今でも変わらず、味噌汁の時も、だし巻き卵の時も、自分でとっただしを使っているのだけど・・・
なにぶん、息子はかなりの偏食。味噌汁やスープなど、汁物も苦手。
味噌汁に手を付けず、さらっと残そうとする姿に、「母はがんばってお味噌汁を作っているのに」と文句も言いたくなる(どころか実際に言っているけど)。
「このお味噌汁には、ちゃんとカツオのだしも入っているんだよ」と説明するも、チーンとしている姿にこちらがチーンとなる毎日。
ただ、卵もあまり好きではないのに、わが家の、だしがいっぱいのだし巻き卵だけは好きで食べてくれ、今では卵焼き担当で調理までしてくれる姿には感動している。
やっぱりさ、食育だよね。
チラシの内容を息子に説明し、「行ってみる?」と聞くと、「行ってみる!」と。「お料理を作って食べるんだから、嫌いなものもあると思うよ。食べられる?」「・・・・うん。」
ということで、早速申し込み、参加してみることに。
当日。和食の料理人さんが、「うまみって何?」の話を、紙芝居を使いていねいに説明してくれ、私も勉強になるほどだった。
実際に鰹節や昆布も触らせてくれ、カツオの解体人形(なんて説明していいのかわからない)を使って、「カツオのここの部分が、この鰹節になる」と見せてくれ、形も合わせてみると、あー、本当に鰹節ってカツオの一部なんだなぁ、なんて実感したり。
鰹節を削ることもやらせてもらった。
幼いころは、私もこれを手伝ったなぁ(今思えば、私の世代では珍しかったのかも)。
その後は、昆布だしだけを飲んだり、鰹節を口に含んでから昆布だしを飲み、味の違いをくらべたりした。
息子はというと、先生の目の前で、じっくり話を聞き、いつもなら「うえぇ」といいそうな昆布だしの実験も、真剣にやっている!
だしも自分でとり、そのお味に大満足。
その後は、二種類の料理をがんばって作り、包丁の使い方も教えてもらった。
「いただきます」「ごちそうさま」の意味、大切さを教えてもらいながらのごはん。
苦手な野菜がいっぱいで、なかなか食べるのには苦労したものの、だしをとった後の昆布の佃煮がとても気に入り、大喜び。
でも、ズッキーニやナスがいっぱいのお料理。なかなか箸が進まない。
まわりのみんなはどんどん食べ終わり、帰っていく。
ボランティアさんたちが片づけをしている中、「居残り給食中」の息子(学校でも毎日、居残り給食中)。
それでも、一緒に調理をしてくれたお兄さんスタッフが横に座って励ましてくれ、まわりのおばちゃまたちにも「ズッキーニ食べられたじゃん! すごいねぇ」なんてほめてもらいながら、なんとか完食!!
みんなにお礼を伝え、「おいしかったね」って言いながら、手をつないで帰宅した。
おにぎりの具は、「鰹節+お醤油」が好きな息子。そうじゃん、もともと鰹節、好きじゃん。出汁も好きなんじゃん。そっか。私がやってきたことは、伝わってないわけじゃないじゃん。
そう思ったら、心がすっと軽くなりました。
JFCプロジェクトのみなさん、ありがとう。
静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。