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2013年4月 5日
農家さんには冶具がいっぱい!!
山田早織
障害者が仕事をする上で、かなり重宝するのが「治(工)具」。
たとえば、少し手が不自由な方も、治具を使うことによって、作業が可能になったり、難しい作業も、治具を使うことによって作業効率が格段にアップしたりします。
数を数えられないなら、仕切りをつけたトレーに製品を並べていけば、きちんと決められた数を作ることができます。
より確実に、より簡単に作業をすることができる。
アイデアやひらめきがいっぱい詰まった治具。
その治具を、私は農家さんでよく発見します。
それも、独自性があったり、工夫がいっぱいあったりで、いつも驚かされます。
最近作業に行った玉ねぎの農家さんでは、玉ねぎの葉っぱと根っこを切るためにカマを使います。でも、そのまま使うと、まっすぐきれいに切れない。
そこで、ハコの上にクッションをおき、そのクッションに穴をあけて、そこにカマの柄を差し込む。自分がその上に座り、カマを固定して作業をするというもの。
両手で玉ねぎを固定できるため、作業もスイスイ進むし、多少不器用でもまっすぐに切ることができる。
玉ねぎ農家さんの間では「当たり前」なのかもしれないけど、初めて見たときは「すごい!!」と思いました。
別の農家さんでは、腰に発泡スチロールの板をぶら下げているお母さんに、「それはなに?」と聞くと、「作業中にコンテナに座るだけど、おしりん痛くなっちゃうもんで、これ(発泡スチロール)を敷くだよ。でも、すぐにどっかいっちゃうもんで、ぶらさげてるだよ~」と笑顔。
・・・なるほど。
かっさらい(草刈の鎌)に輪っかをつけて、手が不自由なひとでも使えるかっさらいを作っている人もいたり、小さな青梗菜の根っこを切る作業に使うカッターを、ブックエンドに固定して両手を使って作業できるように工夫をしていたり、いろいろな農家さんにいくたびに驚きがいっぱい待っている。
障害がある人にとっても、障害がない人にとっても、作業しやすくなる工夫。
農家さんには、そんな「手作り」の工夫がいっぱいで、とても温かい気持ちになります。
きっと、「ユニバーサルデザイン」などの言葉ができる、ずっとずっと前から、そんな工夫をしてきたんでしょうね・・・。
これからもいろいろな発見をしに行きたいな。と思います。
静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。