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青虫の足あと【52】

2011年11月14日

日本人の体

                                    山田早織


大分に行ってきました。4、5年前に引っ越した友人に、いつか会いに行きたくて、ついに今回、こどもと二人で旅に出ました。


まずは別府の名物、だんご汁を堪能。とり天なるものもいただきました。
お土産は何がいいのかな~と友人に、「大分の名産ってなに?」と聞いたところ、「カボスとしいたけ」
たしかに、だんご汁にもとり天にも、カボスをたっぷりかけていました。しかも、見たこともないデカさ!! ゆず?! みたいな。
自分の地元では、カボスといえば小粒なヤツしか売っていません。カボスのでかさと安さに驚き。荷物の中でつぶれたら大変なので、買ってこられなかった。ぐすん。

関サバ、関アジも有名だし、ふぐもあるし・・・海の幸はてんこ盛り!!
そして今回の旅のメインは、「透明なイカを食べる」こと。
ずっとずっと憧れていたんです。活イカのお刺身!! いろいろなところでタイミングが合わず、今まで食べることができずにいましたが、ガイドブックを見ていて、イカのお店を発見! 絶対に食べると意気込んで行きました。


そしてついに!! 念願の透明なイカを食すことに成功!!
感動してホテルに戻り、余韻に浸っていたのですが、夜中に胃がモヤモヤ・・・
最近胃腸の調子が悪く、消化不良気味な私。
今日もきたか!! という感じで、しだいに吐き気が・・・(ただの食べすぎ)

夜中は吐き気と腹痛との闘いで、なんとかウトウトして翌朝、だいぶ調子は復活したものの、食事をとる気にはなれず。
その日は子どもと二人きり。頼れる人はいない。

不安に思いながらも、子どもが乗りたがっていた特急に乗ったら酔ってしまい、またまた絶不調。
スポーツドリンクがいいのはわかっているけど、とても飲める状態じゃない・・・やっと飲めたのは温かいほうじ茶。なんだか涙が出そうな感じで、ホッとしました。

なにも食べないのもよくないな・・・と考え、選んだのがおうどん。
がんばって、ひとくちふたくち程度、ゆっくり食べました。
それがよかったのか、だんだん復活のきざし。
ゆっくりながらも歩いたり、子どもを遊ばせたりしながら過ごしました。
旅先で体調が悪いと、なんとしても家に帰って安心したくなりますよね。
早く帰りたくて涙が出ました・・・
翌日、無事に帰宅した後もまだまだ調子は悪く、食べることが恐怖に・・・


こんなときに、何が食べたいですか??
私は、おうどんとご飯でした。鍋物のつゆ(だし)だけでも、とてもおいしく感じました。
仕事のお昼はおにぎりにして、ゆっくりかんで食べました。
あー・・・お米、おいしいなぁ・・・また涙が出ました。

元気なときは、味が濃いものやお肉、お魚などの元気なものを食べたくなってしまう。
洋食も大好きだし。飲みものも、大好きなコーヒーをついつい選んでしまいます。
でも、調子が悪いときこそ、本当に食べたいものがわかるなぁ・・・

やっぱり日本人なんだな。
温かいほうじ茶と、温かいおうどんと、おいしいお米、優しいお野菜に救われた私でした。
大切にしたい品々です。

やまだ さおり

静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。

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