農業のポータルサイト みんなの農業広場

MENU

青虫の足あと【42】

2010年12月28日

誰かがどこかでつながっている

    山田早織


先日、りんごが届いた。
うーん?? りんごを送ってくれる青森の知り合いはいないなぁ・・・誰だろう?
差出人を見ると岐阜の陶芸家さん。


・・・・クラフト市で知り合い、縁があって仲良くしていただいているご夫婦。
年に1、2回クラフト市でお会いするほか、何度か工房に遊びに行かせていただいている。

おいしいものに出会うと、つい誰かにもあげたり送ったり、したくなってしまう。
そんなわけで、時々地元のおいしいもの(相手は下呂に近い山に住んでいる)を突然送りつけたりしているのだ。
知人のところで取れた三方原のじゃがいも。梨。
新のりの季節には新のりを。
しらすがあがれば、しらすを・・・けっして高価ではないが、ちょっとした旬の味覚をおすそ分け。それで喜んでもらえるのがうれしい。

今回はそんな不定期便のお礼に、とりんごを送ってくれたそう。


その陶芸家さんは、クラフト市出展のために、日本のあちこちに出かけている。
んで、毎年青森に行くそうで・・・そこで出会った方がりんご農家のお嫁さん。
「今度りんごを送ってね~」と頼んだところ、本当に送ってくれて、それがおいしかったから、私のところへも送ってもらったという。


形がものすごくいいわけではない。なんていうか、普通に売られている感じの、本当に普通のりんご。
でも包丁を入れると、じゅわ~っと肉汁ならぬ蜜汁がっっ!(ほんと、まさに汁! って感じ)
甘くて味がしっかりしていて、おいしい~~!!
そのまますりおろして、子どもにも。(りんごジュース命の息子。大喜び)
青森のりんごは、みんなこんなにおいしいのか?! たまらん。


同封されていた農園の案内をみて思う。

私はこの農園の人を知らない。普通に生きていれば、きっとこの先この人たちと出会うことはないだろう。偶然ここのりんごを口にすることは、もしかしたらあるかもしれないけど、きっと頭には残らない。
でも、岐阜の陶芸家さんがこの方に出会い、さらに別のところで出会った私に送ってくれる。陶芸家さんはコーディネーター。
私とこの農園さんを結んでくれた。


農園さんのことは知らないけど、陶芸家ご夫婦の人柄から、その方もいい人にちがいない!
(つまり私もいい人ネ・笑)
私と同じように、その陶芸家さんが作った器をすばらしいと感じ、きっと同じように、手にとって見ているに違いない・・・同じ器を愛用しているかもしれない。
そう思うとすごく親しみを覚える。
いつか本当に出会えるかもしれない、そんな気もしながら、りんごをいただく。


今回のコーディネーターは陶芸家さん。
でも、次のコーディネーターは私かもしれない。
次は何を送ろうか。楽しみが一つ増える。


誰かが誰かとつながっている。
みんなが誰かのコーディネーター。
こんな「顔が見える」贈り物・・・いかがでしょう?? 日本全国、送り送られ・・・
楽しい、おいしいおつきあい。
どんどん広げたい!!

(お休みの日にでもお礼がてら茶碗でも作りに行こうかな♪ 手打ちそばもご馳走になりに・・・←結局食べ物)

やまだ さおり

静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。

「2010年12月」に戻る

ソーシャルメディア