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2010年4月30日
最後のシェフ
山田早織
先日、スペイン料理を食べに行きました。
過去に何軒かしか行ったことがないけど、私のスペイン料理のイメージは「ガーリック」!! アンドしょっぱい。
おいしいけど、ノドが乾くんだよね~っていう感じ。
でもでも! そこのお店の料理はまったく違いました。
一つ一つの料理が、しっかりと「だし」の味がするのです。
だしっていっても、もちろん「日本のだし」ではなく、なんていうか・・・魚介を使った料理は魚介の味が、お肉料理はお肉や野菜の味が、本当にしっかりでているんです。
パエリアに至ってはもう本当に最高のだしで・・・すばらしくおいしかったです。
(食べたくなったでしょ~♪)
シェフにお話を聞くと、なんと35年もお店をやっているとのこと。
すごいですね。私が産まれるずっと前からです!!(若干ウソをつきました。乙女心)
お店の数だけこだわりもあり、こだわりがあるからお店を出すわけだけど。
問題はどんなところにこだわるか。
特に口に入るものは、扱い方、提供の仕方で毒にも薬にもなるわけで・・・
毒になりそうなお店もいっぱいありますね(笑)
過去に、あまりのまずさに一口しか食べられなかったうどんやさんがありました。
あれはもう逮捕してほしいほど。お揚げが冷蔵庫の味なんです(泣)
これまたうちの近所だから、お店を見るたびに「早く閉めればいいのに。被害者が増えるよ」と思います。
嫌なことを思い出して話がそれましたが。
お店をだして料理を提供する以上、やはり最低限のこだわりは持ってほしいですね。
自己満足ではなく。それは責任だと思います。
私が外食に求めるもの、それは「健康」と「しあわせ」。
家ではなかなか調理できない食材、手に入らない食材、不足しがちな食材・・・
それらをせっかくなら外食でとりたいな。
そして、プロにしかできない調理方法も外食の醍醐味。
単純に、大きなオーブンで焼いたパンはやっぱり美味しい。
家のトースターじゃそうはいかない。
手間ひまをかけて作られた数々のソース・・・繊細な日本のだし、力強いだし、辛さ、甘さ、しょっぱさ、すっぱさ、苦さ・・・旬の味。
レストランの、料亭の、ラーメン屋の、ありとあらゆる食べ物やさんのドアを開けるときに求めているのは「おいしさ」。
そしてそのドアを中から開けるとき、入ったときよりも幸せになっていたい。
そんなお店を今日も探して食べに出る。(旅にでる・・・ふふ)
友達と食事に行ったとき、「私の友達は、“おいしい”ということはわかるけど、たとえばその食べているお肉がラムなのか牛なのかはわからないんだよ。でも、おいしいからそれ以上気にしないんだって」ということを聞きました。・・・びっくり仰天。そうなのか。そういうもんなのか。
私には信じられないけど、実際にそういう考えの人がいるのも事実だ。
確かに、私のまわりにも食べ物にこだわらない人はいる。毎日冷凍のチャーハンでもいい、食事を取らなくても平気って。
でも、やっぱりもったいないな。
美食家とかそういうんじゃなくて、いろんな味を覚えると楽しいよね。
スペイン料理やさんのシェフが言っていました。
「口中調味」というのがあるのは、日本とスペインだけです。・・・・と。
口の中で調味すること。
おかずを食べ、ご飯を口に運び、汁物で整える。
しょっぱいものと、ご飯を一緒にいただく。などなど、自分が自分で口の中で味を調える。
へ~、そうなんだ。日本とスペインだけなんだ。当たり前のことだと思っていた。
でも確かに、たとえばハンバーガーとポテトを口に入れて味をミックスしないよね。
でも、食に、食材にこだわらないようになってしまうのは、口中調味以前の問題だ。
与えられたものを、ただ食べる。ご飯はご飯だけで食べ、味噌汁は一気飲み。
それでは、複雑な味を口の中で生み出す楽しみはなくなってしまう。
餃子を食べるとご飯が食べたくなるね♪ とか、明太子とあつあつの白いご飯は最高♪ とか、そんな会話もなくなってしまうのか・・・
せっかく日本にある貴重な文化を、もっともっと大事にしたい。しようじゃないか。
ファーストフードをはじめ、いろいろな「食」の形がある。
そんな今だからこそ、もう一度食の文化を考えるべき。
口中調味。
この聞きなれない言葉をもっと広めたい。
どんなにおいしい料理屋さんに行っても、最後に調味するのは自分!!
その自分が味を知らなければ、おいしさも半減だ。
日本全国の人へ。
最後のシェフは自分なんだ!!
(三角食べには意味があったのか。よく怒られた。)
静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。