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青虫の足あと 【9】

2008年1月 9日

障害者をやとう。おしゃべりになる。

    山田早織


先日、障害者(福祉サイド)と農家を結びつけるにはどうしたらいいのか・・
というような話し合いをしました。

家族経営が多い農家側と、障害者を社会へ! と、熱い思いの福祉側とでは
大きな温度差があります。

障害者が農業をすることのメリットは、いろいろ挙げられていますが、
その逆はなかなか伝わりにくく、まだまだメリットは目に見えてわからないのが現状です。

お金の面でもいろいろあります。

もちろん、障害者を雇用する時は、訓練期間ということで補助金が出る制度もありますが、
雇用保険に加入しているという条件付き。

う~~ん。。 そんなの入ってますか?(いや、人を雇うにはもちろん当たり前のことだけど)
何を隠そう、私もそこでつまずいた1人です。


逆に障害者を雇用してよかったという農家さんの中には、
人を雇うために、今まで考えたことがなかった支出と収入のことなどを考えるようになり、
経営が成り立つようになった! と言う方も。

それが農家側のメリットだと。  うん・・確かに必要。


「1人の人(障害者)が農業に関わり、生き生きしているのをみるとうれしい」
と言う人も  「心」の話。


じゃあ私は? 精神障害者の施設でメンバーさんと一緒に農作業していて
“よかった”と思うことは? と・・考えると

う~~ん「おしゃべり」かな?


人と話すのは苦手ではないけど、得意でもない私。
特に自分から会話をするのは苦手。
受け身ですね。

そんな私がメンバーさんとおしゃべりするのは大変なこと。
基本的に「受け身 VS 受け身」だったりするから。

でも、和やかにするためには、おしゃべりもすごく重要だから、その人に合った話題を
いろいろ考えます。
会話に入られない人がいれば、別の話で声を掛け・・・

そうしているうちに、いろいろな人とおしゃべりができるようになりました。


今までちょっと苦手だった相手とも、うまくおしゃべりができるんです!
これは実際に仕事でも役立っています。

こんなに頭を使っておしゃべりしたことはなかった! でも、
とっても大切なことなんだ!! と気付きました。
(くだらない話ばかりしてるのですが。)


障害を持った人が働きやすい場所は、健常者にとっても働きやすい場所。
そんな場所が増えるといいな、と、、今日も農家さんとおしゃべりします。


ずっと隅っこで会話に入らないで暗い顔をしていた子が、
初めて声を出して笑ってくれるトキ・・・本っっっ当に嬉しいです。


あの感動をあなたにも。

やまだ さおり

静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。

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