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青虫の足あと 【3】

2007年6月27日

働くということ

    山田早織


 私は週に数日、精神障害者社会復帰支援センターで “ジョブコーチ”をしています。

 「体験就労」という名で、就労に向けての訓練として1日2時間、近隣の農場に作業しに行く・・・というものです。
 作業内容は草取り、石拾い、葉かき、植え替え、収穫・・と様々です。


 “ジョブコーチ”とは、農場の方々から作業内容を教わり、メンバー(障害者)さんに指導していくというもの。メンバーさんには多少の給料も出ます。


 「精神障害」というのは、目に見えてどこが悪いのかわかりづらいので(もちろん心なんですけど)、一人一人と向き合って、その人に合わせた指導をしていかなくては能率もあがりません。


 というわけで・・始めのうちはとても苦労しました・・


 距離の取り方、声のかけ方、ひとつひとつ自分で考えていくしかありません。
 さらにマイナスの力に引きずられ、私まで「どよ~ん」と、なることもしばしば・・・


 さらにさらに注意の仕方も大切です。信頼できない相手に注意されるのはいい気がしないですよね?

 「何で注意するのか」を、わかりやすく説明するように心がけています。
 たとえば「2人でかたまって作業すると、口が動いて手が止まっちゃうよ! 離れてやろうね」 こんなふうに。


 それとフォロー! 注意したことが改善された時はとにかく褒める!
 「さっきよりすごく速くなったじゃん! その調子だよ! 気合いだぁ~~」


 これって、障害者も健常者も同じですよね。
 障害者にとって解りやすくて働きやすい環境は健常者にとっても働きやすいということ。


 障害者雇用は様々なリスクを伴いますが、反面プラスになることもあると思います。
 とにかく、「あせらない」「あわてない」「あきらめない」・・・で!


 あ! こんなこともできるんだ!!  を探していきたいです。


 (もちろん、色々な問題点、改善すべき点もたくさんありますが・・
 これは小出しで・・クックックッ・・・)

やまだ さおり

静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。

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