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実録!農業者の経営相談 【3】

2007年6月 8日

任意組合の構成員の出資の決め方

      農業経営コンサルタント 志渡和男


【 質問 】
 補助事業対象で、仲間数人と堆肥場の建設を計画しています。
事業計画を作っているところですが、構成員の出資をどのように決めたらよいのか教えてください。


【 回答 】
 基本的には次のような算式によって計算をし、検討することになります。

     総資産-総負債=純資産


 この場合、総資産は固定資産の他に当面の運転資金も含みます。また、固定資産は補助金を差し引いた額となります。ここで計算された純資産を基に検討することになります。
資本金(出資金)が少ないと借入金に頼らざるを得なくなり、運営に困難を来す場合があるため、資本金(出資金)はできるだけ多くするよう検討ください。

 また、各人の出資は平均である必要はありません。経営規模の面積や利用状況を基に決めるという場合もあります。


 なお、資本金が多くなると地方税が多くなる場合もありますので、登記の資本金は一定額で抑えて、残りは構成員からの借り入れとするなどの場合もあります。また、外部からの借入金を償還する際は、増資や、構成員から借り入れするなどして総資産を減少させないよう資本充実に努め、経営の継続性を図ることが必要です。

 いずれにしろ、補助事業で事業計画を検討する場合には、市町村や農業改良普及指導センター等が相談に乗ってくれると思いますので、連絡を密にして検討してください。


 (株)クボタのイベント“近畿夢農業”(京都府、2007年1月28日~31日)開催時に、経営相談コーナーに寄せられた相談を、数回にわたってご紹介いたします。

しど かずお

昭和13年秋田市生まれ、神奈川県横浜市在住。
神奈川県農業会議、神奈川県農業協同組合中央会に勤務。現在、アグロ・サポート代表、農業経営コンサルタント。
また、(社)全国農業改良普及支援協会専門調査員ほか、多機関でコンサルタント、委員を務め、農業法人関係、農業経営全般、 農業税制等について、幅広く経営分析・診断、アドバイス等をおこなっている。
著書「農業法人の設立」「ウェルカム経営診断」ほか、専門誌への連載等多数。

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