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2007年8月27日
【山椒は大粒でもピリリと辛い(実山椒)】
全国農業改良普及支援協会副会長 関 康洋
今年の夏はとてつもなく暑い。土用の日はとうに過ぎたが、こう暑いと「夏バテ防止のため」とか何とか理由を付けて、ウナギを食べたくなる。
けれども、今年は輸入ウナギから使用禁止の化学薬品等が検出されたおかげで、我が家では今夏一度もウナギが食卓にのぼらない。
かと言って、天然ウナギはなかなか手に入らないし、入るとしても高価過ぎて、我々庶民には手が届かない。
ウナギと言えば肝吸いと山椒が付きもの。山椒の無い蒲焼きなんて、気の抜けたビールみたいなものだ。
この「山椒」、日本人には非常にポピュラーな香辛料である。薬味用として庭先に植えている家庭も多いが、ほとんどが「木の芽」としての利用だ。ウナギの蒲焼きにかける粉山椒は、この木の芽として利用する山椒と同じ類の果実である。
実をとる山椒は木の芽利用の山椒とは異なり、実を沢山付ける品種を選抜・育種したもので、実を付ける雌株、付けない雄株がある。
写真でも分かるように、葉っぱより実の方が多いのではないかと思うほど、よく実を付けるし、その実は大粒で香りも良い。
・実を付けない雄花は花山椒として吸い口等に利用。
・青い実を収穫したのが青サンショウ(佃煮等に利用)。
・成熟した実を収穫したのが実サンショウ(皮を乾燥粉末にしたのが蒲焼きなどにかける粉サンショウ)。
・また山椒に含まれる成分(サンショオール、サンショウアミド等)は、大脳を刺激して内臓器官の働きを活発にする作用があると言われており、薬用(健胃・整腸に効果)にも利用されている。
栽培地はほとんどが山間地であり、傾斜地の段々畑等を利用して栽培されている。畑に近づくと、山椒独特の強烈な香りが辺りを包む。和歌山県、岐阜県、奈良県が産地ベスト3。
*ミカン科の植物で、別名ハジカミ、英名Japanese pepper。アゲハチョウ科のチョウの食草でもある。
(※画像をクリックすると大きく表示されます)
社団法人全国農業改良普及支援協会