MENU
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2007年4月26日
【私が出会った変品・珍品・妙品】
全国農業改良普及支援協会副会長 関 康洋
仕事柄全国各地に出かけることが多く、飲み過ぎで身体を壊してからこの方40年有り、ただただ、各地の変品、珍品、妙品を意地汚く食べあさってきた。
その中での逸品は「お蚕(カイコ)のサナギの佃煮」と「イソギンチャクの煮付け」だ!
これ以上の変品には出会ったことはない。
お蚕と言えば信州、信州といえばお蚕と言われたほど、その昔は養蚕業の盛んな地であった。また、「海無し県」としての独特の食文化が発達したところでもある。
そんな長野県ではお蚕のサナギ、イナゴ、蜂の子、川虫の一種のザザムシなどは貴重なタンパク源として食されてきた。ザザムシは主に「トビケラの仲間」「カワゲラの仲間」「ヘビトンボの仲間」の幼虫を言うのだそうだ。
お蚕のサナギや川虫なんぞは、魚釣りの餌としてしかその利用方法を知らなかった。どちらも気色いい物ではない。ザザムシは臭いが無いだけ、まだなんとか口に入れることができるが、お蚕のサナギは昆虫独特のいやーな臭いが先に来る。チャレンジ精神旺盛な小生だが、これにはギブアップ。
もう一品は、ワケノシンノス(イソギンチャク)の煮付けだ。これは干潟に生息するヨロイイソギンチャク類の一種、イシワケイソギンチャクで、有明海沿岸で一般的に食されている。
ワケノシンノスとはワケーモンのケツノアナ(青年の肛門)を意味する言葉だそうだ。たしかにイソギンチャクといえば肛門によく似た姿をしている。子供の頃イソギンチャクの頭の穴に指を突っ込んで遊んだ記憶がよみがえる。
どんな味? と聞かれりゃ「ん!?」という味だ。とても磯臭いし、肛門的味覚というか、イメージが先行した妙な味だ。
もう一度食べるか? と聞かれりゃ、「もう結構」と答えたい。それにしても有明海沿岸地域は、干潟に棲む妙な食材が豊富であり、食い意地の張った者には魅力あるところである。
余話:その昔は、千葉県の東京湾沿岸地域でもイソギンチャクを食べていたらしい。どなたかご存じありませんか。
(※画像をクリックすると大きく表示されます)
(画像は、夜明茶屋・さげもん堂 様(http://www.sagemon.com/jimono.htm)サイトより使用させていただきました。)
社団法人全国農業改良普及支援協会