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EZOからのおいしい便り 【5】

2007年9月14日

 北海道米の底力

    農村ライター 長尾道子


 本州はまだ残暑厳しいときだと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。北海道は空も高くなり、朝晩の冷えも増し、収穫が始まって、秋を感じる今日この頃です。

 8月には玉ねぎ、じゃがいもと、北海道を代表する作物の収穫を迎えました。この時季になると、あちこちの畑ではハーベスターなどの収穫機械が稼動し、畑の脇に玉ねぎやじゃがいもが満杯に入った鉄コンテナが何台も積まれていきます。

 この光景に出くわすと北海道の収穫の秋を実感し、その訪れに感謝します。


 そして、9月に入るといよいよお米の収穫が始まり、秋もいよいよ本格的に。

 先日、順調に育っている知り合いの農場の田んぼを見てきました。2町ほどある大きな田んぼなのですが、どの稲穂もとても重たそうに頭を垂れています。稲穂の黄金色と茎の緑色のコントラストが何とも美しい田んぼになっていました。


 この農家は長澤哲哉さんといって、私と同い年の方が農場主なのですが、おいしいお米を作るためにお父さんから教わった技術をさらに高めるべく常に研究し、大型機械のメンテナンスもひとりで行い、毎日田んぼを丹念に見回っている人です。


長澤哲哉さんの田んぼ

 私は20年ほど前からこの農場のお米を食べていますが、哲哉さんがお父さんから引き継ぎ、田んぼの管理をするようになってから、17~18年経っているという事実を先日知りました。

 彼は大学へ行きながら米作りを学び、今はどこよりもおいしいお米を作り、みなさんの食卓を楽しませている。そんな人が同い年の人だということ、そして我が家の食卓を守ってくれているんだと思うと、とても頼もしく、心強いのです。


 数年前から仲間とグループを作り、札幌のスーパーでも直接販売するようになりましたが、年々購入する人が増えているとのこと。今年の秋からは、扱うスーパーの数がまた一件増えるそうで、ますます多くの人に知ってもらえる機会が増え、ファンとしてはうれしい限りです。


 哲哉さんが作るお米は、きらら397、ほしのゆめ、ななつぼし、そしておぼろづき。我が家はおぼろづきを月に20kg食べます。本当においしいですよ。粘りがあって、ほんのり甘みがあって、まだ昨年のお米なのに炊きあがるとツヤツヤ。

 ご飯が大好きで本州米ばかり食べてきた夫も、長澤農場のお米は「これはうまい!」と絶賛し、ご飯を食べる量がさらに増えました。これを食べたら「北海道米ってまずいよね」なんていえないハズです。


 研究機関が真摯に取り組んだ品種改良が、農家の人たちの努力が、おいしいお米を作り上げています。みなさんもぜひ一度、北海道米を試してみてください。


(※画像をクリックすると大きく表示されます)


《今回のおいしいモノ》

我が家のキタアカリも早速掘り起こしました。

20個程の種芋を植えたのですが、約10kgダンボール一箱分の収穫量がありました。大きさは直径2~3センチのものから、10センチくらいのものまで。

作ったものは残さず食べよう!と、今せっせと食べています。小さいものはフライドポテトに、大きいものはサラダに。そうそう、いも団子にしてもおいしいですよ。

ながお みちこ

異業種の職業を持つメンバーが「食」と「農」のあり方を真剣に考え、行動する「食農わくわくねっとわーく北海道」事務局長。食べることと農は一体。自分たちの生活を楽しくするために、「一緒にわくわくしましょう」という思いを実践する。

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