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2013年6月17日
それって・・あたりまえ?
高見澤勇太
今年も中国人実習生が来日して、2カ月が経過しようとしている。
年々、実習生の仕事・生活態度が悪くなる気がする。
昨年は、朝の「おはようございます」も仕事終わりの「お疲れ様でした」もなかった。
「パソコンが欲しいから、買いに連れてってくれ」
「隣の家はこんなに待遇が良い」
など、言いたい放題だ。
受け入れ先を中国からインドネシア・フィリピン・タイなどへ変える農家も増えてきた。
次年度はベトナムの実習生を、多数受け入れる動きがある。
その状況を知ってか、今年は中国人実習生の態度に変化がある。
○挨拶をきちんとする
○人の話をよく聞く
○おねだりをしない
仕事の能力の前に、当たり前のことがしっかりできている。
自分の憶測だが、
「さすがは中国。その時々の空気を読んで的確な対応を取る」
それに比べ、当たり前のことができただけで感心してしまう一般的日本人? の自分も甘い。
ふと思い出した。
消防団員だった頃、
よく作業やポンブ操法の練習に出ていた若手団員がたまに休むと
『なんで休んだんだ』と怒られた。
出席率が悪い団員がたまに作業に参加すると
『よく出てきた』と褒められた。
「これっておかしくないですか?」と
この矛盾に若手団員は愚痴をこぼした。
物事を見る角度が違うだけで、考え方まで変わってしまうということだろうか。
農産物も薄利多売の傾向にある中で、収入を上げようと
外国人の力を借りて大量生産するのは現在の流れである。
それにより野菜などの流通量が増え、価格が下がる。
そんな悪循環。
その中で家族労働だけで農業経営をしている農家もある。
自分にはできないが、そうやって地道にがんばっている農家を応援したい。
販売戦略で家族の物語を商品にできないだろうか。
数の論理に走らない、野菜作りに込めた思いを生活者に届けられないだろうか。
人口の減少、一人あたりの野菜摂取量も減る、野菜に対する考え方も多様化。
画一化された農産物は、大量にはいらない。
いち早く、見る角度を変えた農業経営をしなければ・・・。
自分は変われるだろうか。そして自分の野菜は買われるだろうか。
1964年長野県生まれ 北佐久農業高校卒業後、すぐに家業である農家の後を継ぐ。長野県農業士協会会長(07・08年)、野菜ソムリエながの代表(08・09年) 、南牧村議会議員(07年~11年)。座右の銘は「ゆるく・楽しく・美しく」