農業のポータルサイト みんなの農業広場

MENU

信州発 “農”と言える日本人 【37】

2012年4月23日

南牧村海尻財産区議会議員となった

                              高見澤勇太


南牧村は6地区に分かれている。
その5地区に財産区という組織があり、
その財産区には8名の議員が存在する。

財産区議員は村議会議員の地域版で、
各地区の政事(まつりごと)を司る。
在任期間は4年で各議員には、
区長、副区長、総務、社会、観光、林務、土木、会計という部署があり、
それぞれの任務に当たる。

難しく言うと上記のようになるが、
簡単に言うと
『地域のなんでも相談係』『地域の雑用係』『地域と村とのパイプ役』
そんな役割をしている。


筆者も今年からこの財産区議員として活動することとなった。
担当は土木である。

土木担当は、道路補修点検整備、用水路の確保、冬季の除雪作業分担などを受け持つ。

これも簡単に言うと、地域住民から、
「うちの前の道路に穴ぼこ開いているから直して」とか、
「うちの田んぼに水が来ないんだけど」とか、
「大雪降ったから早く除雪して」etc.
そんな要望を自分でできる範囲は自分で、できないところは村や業者にお願いする。
そんな便利屋さん的任務である。


先日『海尻総人足』が開催された。
財産区議員に任命されて最初の大仕事である。

総人足とは海尻地区の全世帯154戸から1名ずつ出役してもらい、
集落内道路の落ち葉、落石の除去、水路の通水、ドブさらいなど。
生活環境や農業の快適性を図るために行われる、年に1度の最大イベントである。
その総指揮を筆者が担当した。

午前8時から午後3時までのスケジュールで行われ、
時間内は作業内容の問い合わせ、配置確認、現場確認要請、私用の電話と、
携帯電話を離す時間がほとんどない状態だった。

そんな役目がら、154戸の世帯主の姓名は全員、
奥様や長男など同居者の名前と顔も、5割以上おぼえた。
総人口500人弱の地区だが、300人以上の顔と名前が分かる。
あまり得にはならないが、プチ自慢にしておこう。

村議会議員時代は『村の発展のため』に『村民のため』にと、背伸びをし過ぎて
頭でっかちになり、無理をしていた気がする。


今回は超地域密着型の財産区議員。
村議会議員の経験を活かしながら、
あせらず、あわてず、地道に、
地域の人々の声を直接聞いて、
自分を育ててくれた地域『南牧村海尻』、そこに住む人たちのために、
4年間がんばりたい。

たかみざわ ゆうた

1964年長野県生まれ 北佐久農業高校卒業後、すぐに家業である農家の後を継ぐ。長野県農業士協会会長(07・08年)、野菜ソムリエながの代表(08・09年) 、南牧村議会議員(07年~11年)。座右の銘は「ゆるく・楽しく・美しく」

「2012年04月」に戻る

ソーシャルメディア