MENU
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2010年3月23日
与える者は 与えられる
高見澤勇太
先日「第24回南牧村人権を考える村民大会」が開催されました。
その中で講演会があり、上田情報ビジネス専門学校副校長 比田井和孝氏が講演しました。
講演会のタイトルは「私が一番受けたいココロの授業in南牧村 与える者は与えられる」です。
小見出しは
「HONDAの創業者 本田宗一郎さんの生きざま」
「営業マンYさんの話“もらうこと”ばかりを考えるのをやめたとき」
「与える心は時を超える エルトゥールル号の話」
「おもてなしの心 ディズニーランドに学ぶ」
などでした。
その中から「ある鉄道会社の社長の話」を引用させていただきます。
◆◆◆
これは、アメリカの話です。
ある鉄道会社の社長が、線路の修理現場を視察していました。すると、1人の作業員が親しげに話しかけてきました。
「久しぶりだね!君もずいぶん出世したものだね。君が社長になったと聞いた時は、本当に驚いたよ」
見ると、その社員は、約10年前に、社長と一緒に作業員として働いていた友人でした。その友人は言いました。
「10年前は一緒に、50ドルの日給をもらうために働いていたのにね。君も変わったね」
社長は答えました。
「…そうだったのか。君は50ドルもらうために働いていたのか。私は、10年前も今も、この鉄道会社のために、そして、世の中の人たちに快適な旅をしてもらうために働いているんだ」
◆◆◆
「何のために働くのか」
50ドルを「もらうため」に働いている友人。
「何とか役に立ちたい」「どうしたら喜んでもらえるだろうか」「与えるため」に働いている社長。
同じ仕事をしていても、その目的が違うだけで、10年もたったら、これだけの差がついてしまうんですね。
今の農業にも、同じことが言えるのではないでしょうか。
農業界は、販売収入が少なくなっています。みんな、何とか農業所得を増やそうと考えています。その結果、「何とか野菜をたくさん買ってもらうために」「補助金をたくさんもらうために」働いている気がします。
「生活者の役に立ちたい」「どうしたらお客さんに喜んでもらえるだろうか」
「与えるため」に働く。そう考えたら10年後、日本農業の未来はきっと明るいはずです。
約90分の講演会、いや授業と言いましょう。授業の最後には、講演会参加者、いや生徒の約9割の人が涙したと思います。(自分は3回泣きました)
さあ、農家のみなさん、考え方を少しだけ変えて見ませんか。
●参考文献
「私が一番受けたいココロの授業」
比田井和孝・比田井恵美子 著 (ごま書房新社)
1964年長野県生まれ 北佐久農業高校卒業後、すぐに家業である農家の後を継ぐ。長野県農業士協会会長(07・08年)、野菜ソムリエながの代表(08・09年) 、南牧村議会議員(07年~11年)。座右の銘は「ゆるく・楽しく・美しく」