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2024年7月16日
小平市上宿公民館事業企画 地域支援講座「江戸東京野菜の調理方法を学ぶ」
前回のコラムでご紹介した講座「江戸東京野菜 その歴史と育て方や調理方法を学ぶ」の第3回目が開催され、講師を務めました。
今回ご紹介した江戸東京野菜は、一昨年と同じ、旬の馬込半白キュウリと明日葉の2つでした。第2回目の圃場見学では、それらの栽培や収穫方法を学んでいましたが、参加者のほとんどが「初めて食べる」ということで、興味深そうでした。
それぞれ、特徴や栄養価についても触れながら、実際に調理のデモンストレーションを見学してもらいました。
馬込半白キュウリは、普段店頭で目にする濃い緑色のキュウリよりもずんぐりと太く、上部は薄い緑色で、先に向けてだんだん白くなっているキュウリです。名前にもあるように、大田区馬込地区で栽培が始まりました。当時の馬込村では、昔から大井節成(ふしなり)キュウリが多く栽培されていましたが、明治時代にこの大井節成キュウリにウリを掛け合わせて改良したのが「馬込半白キュウリ」と言われています。パリパリと歯ざわりのよい皮の食感と、えぐみが少なくみずみずしい果肉で、古くからぬか漬けなどの漬物に使われてきました。
今回は、この馬込半白キュウリを使って、ピクルスと和え物を作りました。
ピクルスには一般に販売されているキュウリも使い、食感や食味の違いを食べ比べてもらいました。和え物は涼し気なキュウリの色を活かせるよう、色の濃い調味料を避け、鶏ガラスープの素で味をつけました。
■馬込半白キュウリのピクルス
【材料】
馬込半白キュウリ 1本
*酢 50cc
*水 50cc
*砂糖 大さじ1杯
*お好みで 唐辛子・ローリエなどハーブや香辛料
【作り方】
② 馬込半白キュウリを乱切りにする。
② ①を熱湯に10秒ほど漬け、ざるにあげ水気を切る。
③ *を小鍋に入れて砂糖が溶けるまで加熱し、冷やす。
④ ポリ袋に②と③を入れて空気を抜き、半日ほど漬け込む。
■馬込半白キュウリとしらすの中華和え
【材料】
馬込半白キュウリ 1本
塩 少々
しらす 20g
*鶏ガラスープの素 小さじ2杯
*米酢 小さじ1杯
*ごま油 小さじ2杯
【作り方】
① 馬込半白キュウリを乱切りにして、軽く塩をふる。
② ボウルに*を入れてよく混ぜ、①としらすを加えて和える。
明日葉は、日本原産のセリ科の植物です。「今日摘んでも明日には新しい芽が出始める」と言われるほど成長が早く、その名がついたとのことです。東京の島しょ部を始め、房総半島や三浦半島、伊豆諸島など、温暖な太平洋沿岸部に自生しており、三宅島や大島では品質管理された明日葉が栽培されています。宮寺氏の圃場でも、もう何年も自生しているとのことでした。
独特の香りと苦みがあり好みの分かれる野菜ですが、カロテン、カリウム、鉄分などが豊富に含まれおり栄養価の高い野菜です。茎や葉の切り口が染み出てくる黄色い液体はカルコンというポリフェノールが含まれており、血糖値の低下、血圧上昇抑制効果が期待できると言われています。
明日葉は、葉のみを低温のオーブンでサクサクに焼いた「明日葉チップス」と、葉と茎を使った水餃子の2品を紹介しました。
■明日葉入チップス
【材料】
明日葉の葉 適量
油
塩 少々
【作り方】
① 明日葉の葉を洗い、しっかりと水気を切る。
② ボウルに①と油を入れ、葉に油をまぶす。
③ 天板にオーブンペーパーを敷き、150度で15分から20分ほど焼く。
④ 熱いうちに塩をふりかける。
【材料】
明日葉の茎と葉 150g
豚ひき肉 150g
生姜 小1片 *みじん切りにする
塩 少々
*醤油 大さじ1杯
*紹興酒または酒 大さじ1杯
*ごま油 大さじ1杯
片栗粉 大さじ1杯
水餃子の皮 24枚
【作り方】
① 明日葉の茎・葉をさっとゆで、みじん切りにする。
② ボウルに豚ひき肉と塩を入れてよく練り、*と①、片栗粉を加えて混ぜる。
③ ②を餃子の皮で包む。
① 熱湯に③を入れ、浮き上がるまでゆでる。
できあがった料理を試食してもらいながら質疑応答の時間を設けたところ、たくさんの感想や質問をいただきました。
「馬込半白キュウリを初めて食べたけれど、とても歯ざわりがいいですね」
「えぐみのないキュウリでおいしいです」
「明日葉のクセのある香りが苦手でしたが、このチップスなら気になりません」
「明日葉の茎の食感が餃子に合いますね」 などなど。
皆さん「どこかで見かけたら買ってみたい」と、気に入ってくれたようです。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。