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「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【114】

2023年7月18日

ラベンダーレッスン


野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター 田代由紀子   


 アロマテラピーアドバイザーの真木文絵先生のSNSで、ご自身の農園で収穫したラベンダーを使ってラベンダーレッスンを開催されると知り、参加してきました。


 会場に入ると、収穫したてのフレッシュなラベンダーがテーブルいっぱいに置いてあり、部屋中がラベンダーの香りに包まれていました。今回のレッスンでは、ラベンダーの特徴や効能などを学び、フレッシュハーブから芳香蒸留水を抽出してローションを作ります。


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 最初に、ハサミを使ってラベンダーを茎と花に分けます。何本ものラベンダーをつかんで作業をしていると、指先までラベンダーの香りになり、なんとも言えない、よい気分になります。
 切り分けた花をハサミでさらに細かく刻み、アランビックと呼ばれる銅製の蒸留器のポットに入れて、水を加えます。ガスコンロの上に乗せ、長いパイプの付いた蓋を閉めて、パイプを冷却槽のパイプとつなぎます。冷却槽に水を入れ、蒸留水が出てくる排出口の下にビーカーをセットしたら、ガスに火をつけます。加熱も冷却もゆっくり行うほど、多くの成分が抽出できるので、火加減は弱火です。


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 20分ほど経つと、ビーカーにポタリ、ポタリと芳香蒸留水が滴り落ちてきます。銅製の蒸留器のほか、ステンレス製やガラス製の蒸留器があるそうで、ガラスの小型タイプのものを見せてもらいました。こちらにはバラの花びらを入れて、抽出を始めました。


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 ラベンダーの芳香蒸留水が500mlのビーカーいっぱいになる間に、ラベンダーについてのお話を聞きました。


・ラベンダーはシソ科ラベンダー属、地中海沿岸が原産地で寒さに強く乾燥を好むので、日本のような高温多湿な気候には弱く、東北や北海道で多く栽培されている。
・語源は「ランドリー」(洗う)で、怒りや執着の沈静、心身の浄化に用いられていた。
・日本では、イングリッシュ系の品種の真性ラベンダー、早生の「ようてい」「濃紫3号」、中生の「おかむらさき」、晩生の「はなもいわ」などが多く栽培されている。
・芳香成分である酢酸リナリルやリナロールには、中枢神経抑制、抗炎症、抗菌、抗炎症、抗ウィルス、鎮痛などの作用が期待できるので、入浴剤やアイピロー、ポプリなどに使われることが多い。
・今回のように芳香蒸留水として抽出したものにも、それらの成分が多く含まれており、皮膚への刺激が少ないので、ニキビや湿疹の予防などのスキンケアとして活用すると良い。
とのことでした。
 また、目の疲れやリラックス効果も期待できるそうで、大いに活用したいハーブです。


 芳香蒸留水が溜まると、ローション作りです。ラベンダー蒸留水にハトムギチンキとシコンオイルを加えれば、でき上がり。手につけてみると、ラベンダーの香りに癒やされ、手の甲はしっとりつるつるに。


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 さらにラベンダーオイルとローズチンキ、みつろうを温めて、小さなブレンダーでしっかり攪拌して作るラベンダーの美肌クリームも、作らせてもらいました。ラベンダーの香りは安眠効果も期待できるそうなので、寝る前に使ってみようと思います。


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 ふだんは「食べる植物」野菜について学ぶことが多いですが、香りを楽しむ植物についても、もっと学んでみたいと興味が湧きました。

たしろ ゆきこ

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。

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