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「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【108】

2023年1月16日

「中西ファーム」のイベント付き宅配便


野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター 田代由紀子   


 昨年末、以前このコラムで紹介した中西ファーム(東京都八王子市小比企町)の直売会を訪ねてきました。年末最後の直売日で、中西ファームの野菜ファンの皆さんが、次々と野菜を買いに来ていました。年末年始のごちそうに重宝しそうなカリフローレやプチヴェール、正月のおせち料理に欠かせない大根や金時ニンジンなど、収穫したばかりの野菜が所狭しと並んでいました。


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 買い物客が途切れた合間をぬって、中西ファーム7代目の中西雅季さんに畑へ案内していただき、畑の野菜の説明を受けました。ケールの味見をさせてもらうとケール特有の苦みはなく、噛むほどに甘みが口に広がり、今まで食べてきたケールのイメージが変わりました。すっかり気に入り、サラダや炒めものやチップスなどいろいろな料理に使えるように、たくさん購入しました。


 中西ファームでは、毎週末に開催する直売会のほか、ユニークな宅配便にも力を入れています。ホームページを開くと目に入る、宅配便の紹介画像は、ユーモアたっぷり。『野菜セットをお届けするだけではなく「とにかく面白い」を詰め込んだ宅配便です!』とあり、何が届くのかワクワクします。

 年末に購入した野菜を食べ尽くしてしまったので、この宅配を頼んでみました。大きな段ボール箱を開けると、真っ白なカリフローレ、極太のリーキ、大きなサツマイモ、ネギ、ニンジン、そしてお気に入りのケールなど、10種類ほどの野菜と新年の挨拶文が入っていましたが、ホームページに『農家ならではの野菜レシピ』と記載されていたレシピや、「イベント情報」が見当たりません。


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 入れ忘れかと思っていたら、中西ファームからメールが届きました。メールには宅配便購入者限定の公式LINEの招待URLが書かれており、「友達登録頂けたら、レシピやイベント情報をお送りさせて頂きます!」とのこと。早速LINE登録をすると、宅配便で届いた野菜のレシピが続々と届きます。はじめは野菜と一緒に紙のレシピを同封していたそうですが、LINEで送ってもらえる方が便利、という声を受け、同封をやめたとのこと。なるほど、イマドキのスタイルだと感心しました。
 さらに、LINEには「1月8日 新年本気の餅つき大会」と1月のイベント案内も届きました。農家での餅つき、さぞ本格的な餅つきなのだろうと、楽しみに参加することにしました。


 餅つき大会当日、中西ファームには、かまどの上の蒸籠からもち米のよい香りが漂っていました。中西ファームの敷地内の木から作ったという大きな臼と、石でできた臼の二つ。中西ファームの刻印が入った、立派な杵が用意されています。
 20組近い参加者が続々と集まってくると、もち米が蒸し上がるまで、各々畑の周りを散策したり、おしゃべりを楽しんだりしていました。子どもたちもたくさんいて、ヤギにエサをあげたり、年に一度だけ稼働するという大型トラクターの運転席に乗せてもらったり、うれしそうにしていました。

 もち米が蒸し上がると、参加者が順々に「よいしょ~」のかけ声とともに杵を振るって、餅つきを楽しみました。つきたてのお餅は、丸めて大根おろしや葱醤油、きなこや小豆とともにいただきました。合計8kgの餅がつき終わる頃には、みんなおなかがいっぱいになり、楽しい餅つき大会はお開きとなりました。


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 この宅配便購入者限定のイベントは、味噌作り、シャインマスカット狩り、芋掘り、豚汁作りなど、季節に合わせて、開催を予定しているそうです。「みんなが自然に集まり楽しめる農園」を目指しているという言葉通り、7代目を始め若いスタッフが楽しそうに働いてる様子を見ていると、元気をもらえる気がしました。野菜を購入するだけでなく、農家ならではの行事に参加してみたいという方には、お勧めの宅配便です。

たしろ ゆきこ

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。

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