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2022年4月18日
徳島県の「コウノトリれんこん」を学び味わう
徳島県の東端に位置する鳴門市で栽培されている「コウノトリおもてなしれんこん」、通称「コウノトリれんこん」を学び、味わうことができるイベント、『アカデミックレストラン~コウノトリれんこん~』に参加しました。
このセミナーは、まずオンデマンドで、事前学習をします。コウノトリ定着推進連絡協議会の柴折氏から「コウノトリの生態やレンコン栽培との関係」を、生産者の野田氏からは「栽培方法や色白の肌のレンコンを育てる秘訣」などを学びました。
徳島県のレンコン畑は粘土質の土壌で、ほぼ1年を通して水が張られた状態で、しかも浅水管理されており、それがコウノトリがエサを捕るのにちょうどよい深さであること。また、以前から農薬使用量を抑えて栽培しているため、魚や昆虫、ザリガニやカエルなどの水生生物が多く、コウノトリのエサが十分にあること。レンコンに被害を及ぼすカメやザリガニ、ジャンボタニシなどをコウノトリが食べてくれるので、レンコン栽培にとっても有益なこと。そして、徳島県のレンコン栽培の特徴として、防鳥網を使用しないため、コウノトリが安心して暮らせる環境にあるとのことでした。
このような好条件が揃っていることから、この地ではコウノトリと共生し、環境に優しい農産物を作ろうと、鳴門市が『コウノトリブランド認証制度』を始めました。その認定第1号が「コウノトリれんこん」です。認証には、エコファーマー認定など多くの条件を満たすことが必要となっており、環境にも人にも優しい農産物と言えます。
徳島県で栽培されるレンコンは、主に「備中」という品種です。扁平で節間が長く細長い形をしており、色が白くつややかな表皮が特徴です。きめ細かく密度が高いため、シャキシャキとした歯触りがあります。野田氏曰く「美肌ゾーン」と呼ぶ土質の中で育つことで、より白くキメの細かい良質のレンコンになるのだそうです。収穫は、粘土質の固い土なので、表面から30cmほどをシャベルを使って掘り起こしたあと、全て1本1本手掘りで行われているとのことでした。
レンコンについての知識を得たあとは、プロのシェフによる、コウノトリれんこんのイタリアンコースを味わう時間です。東京都新宿区にあるイタリアンレストラン「ベニーレベニーレ」で、前菜からデザートまでコウノトリれんこんを使った特別コースを用意いただきました。
*れんこんと生ハムのインサラータ
薄切りにしたコウノトリれんこんを香味野菜のブイヨンでさっとゆで、色鮮やかな野菜や生ハムとともにオリーブオイルでマリネしたサラダ。レンコンの軽やかな食感と繊細な香りが楽しめました。
*阿波尾鶏とれんこんのキャベツ包み~カリフラワースープに浮かべて~
旨みのある阿波尾鶏と角切りのレンコンがキャベツに包まれています。やさしい味のカリフラワーのスープとともに味わいます。低温でオーブン加熱したチップスの食感もサクサクです。
*れんこんニョッキとフリット~なると金時のゴルゴンゾーラソース~
レンコンを使ったニョッキは「ゆで」と「揚げ」の2種類で。香りの強い太い部分を使っているそうです。独特の香りのあるゴルゴンゾーラチーズと、甘みのあるサツマイモ「なると金時」のソースがよく合います。
*阿波牛とれんこんのビステッキーネ
レンコンそのものをしっかり味わえるレンコンのステーキ。ガーリックオイルでソテーしているので、ニンニクの風味がしっかり効いています。サクサクもちもちとした食感で、レンコンの香りが広がります。
*れんこん"塩アイス"と林檎のトルタ
レンコンの繊細な香りを生かすために低脂肪乳を使って作ったという、レンコンの塩アイス。コンポートにしたレンコンを生地と一緒に焼き上げた、カリカリのラングドシャも素敵でした。
食後にはシェフがテーブルまで来て、コウノトリれんこんの扱い方や調理のヒントなどの質問に答えてくださり、とても勉強になりました。
まさに、アカデミックレストランのコンセプト、『「知らないで食べる」から「知って食べる」』ことを体感できるイベントでした。
さらに、コウノトリれんこんをお土産にいただいたので、自宅でもシェフに倣(なら)ってれんこんサラダやれんこん焼売、れんこんの肉巻き、れんこんの照り焼きなどを作り、存分にコウノトリれんこんを堪能しました。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。