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2022年3月15日
オンデマンドセミナー 「焼き芋を掘る」
日本野菜ソムリエ協会主催のオンデマンドセミナー「焼き芋を掘る」を受講しました。青果のサツマイモのセミナーは何度か受講したことがありますが、調理済みのサツマイモ、しかも「焼き芋」にフォーカスしたセミナーは初めてで、興味津々。焼き芋専門店が話題になるほどの焼き芋ブームの昨今、どんなお話が聞けるのかと楽しみに参加しました。
今回はサツマイモの産出額全国1位(※)、茨城県のサツマイモのお話です。茨城県は青果のサツマイモに加えて、干し芋の産出額も日本一。全国的に作付け面積が減っている県が多い中、10年前に比べて2倍近くに増えている、サツマイモに力を入れている県のひとつです。太平洋側の温暖な気候と火山灰土の水はけのよい平坦な土地がサツマイモの栽培に適していることが、大きな要因のようです。
※ 茨城県ホームページより
受講に先立ち、冷凍の焼き芋が届きました。A-1、A-2、B、C、D、E、そして「秘密」と書かれた7種類。受講前に常温に戻し、準備完了です。これらを、品種を聞かずに食べ比べします。
どれもおいしい焼き芋ですが、確かに少しずつ違いがあります。水分量が多くしっとり感の強いもの、ねっとり感の中にもホクホク感があるもの、皮が香ばしいもの。自分の好みを探りながらの試食は楽しいものです。
ひと通り食べたところで、7種類それぞれの解説を聞きます。
A-1:紅はるか(行方市)
野菜ソムリエ農家「のはら」、野原亮一さんの「おはるちゃん」というサツマイモ。土の中で完熟させ、長期保存処理を施してから60日かけて熟成、低温貯蔵します。ネットの予約販売でのみ購入できる、貴重なサツマイモです。
A-2:紅はるか(旭村)
「旭甘十郎」という商標をとったサツマイモ。選び抜かれた圃場のみで栽培された紅はるかとシルクスイートを、通常よりも長期間(通常120日のところ150日以上)置くことで、多くのデンプンが蓄えられ、さらに定温貯蔵によって1カ月以上熟成することで、そのデンプン質がゆっくり糖化され、スイーツのように甘いサツマイモになるとのこと。
B:べにまさり(行方市)
野菜ソムリエプロ内山農園、内山研一さんのサツマイモ。JAなめがたしおさいに出荷。紅まさりは、ねっとりしっとり、焼きたてはホクホク、冷めるとしっとりの、焼き芋に適したサツマイモです。緻密で繊維が少ないので、芋きんとんにもお勧めとのこと。
JAなめがたは焼き方マニュアルを作成し、全国の焼き芋屋さんやスーパーに向けてサツマイモの品種、貯蔵方法などの提案まで行っているそうです。近年は国内だけでなく海外への輸出も増えているとのこと。
C:シルクスイート(旭村)
A-2と同様に「旭甘十郎」のシルクスイートですが、農協としてはもう少し熟成させた方がよいとのことでした。
D:紅あずま(行方市)
A-1と同様、野菜ソムリエ農家「のはら」、野原亮一さんの「おはるちゃん」というサツマイモ。年々生産量の減っている品種ですが、ホクホク系を代表する品種です。
E:ふくむらさき(行方市)
B同様、内山農園、内山研一さんのサツマイモ。茨城を中心に栽培され始めた新しい品種のむらさき芋。おいしい焼き芋となるむらさき芋が少ない中、しっとりした焼き上がりになります。
「秘密」:べにまさり(行方市)
Bと同じ品種を温度と時間を変えて焼いたもの。
すべての品種の解説を聞いたところで、今回のセミナーの本題「焼き芋をおいしく食べる方法」に入ります。
サツマイモは品種や熟成具合でホクホクからしっとりと、そしてデンプンが糖に変わることで甘みが増します。どの時期にどの品種を選ぶかは、個々の好み次第。自分の好みを知っておくとよいでしょう。
さらに、焼く温度や時間によっても食味に違いが出ます。一般的に、いも類は、じっくりと時間をかけて焼くことで甘みが増すと言われていますが、焼き芋もじっくり焼くことで甘みとしっとり感が出てきます。皮の香ばしさを楽しみたいときは、じっくり焼いた後に少し温度を上げるとよいとのこと。おすすめは「オーブントースターで焼く」とのことなので、自宅で試してみようと思います。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。