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2021年2月16日
幻の玉ねぎ「札幌黄」でオンライン料理教室
北海道夕張郡栗山町の井澤農園で栽培しているタマネギ「札幌黄」を使ったオンライン料理教室に参加しました。
井澤農園は大正12年から続く農園で、現在は4代目の井澤孝宏さん、綾華さんご夫妻とご家族が経営されています。さまざまな品種のタマネギを中心に、カボチャやスイートコーン、サツマイモ、ジャガイモなど100品種ほどの野菜を作り、化学肥料や農薬を通常の栽培方法の半分以下に抑えて有機肥料を使用する「減農薬栽培」が自慢です。
今回は「札幌黄」という珍しい品種のタマネギを使った「玉ねぎキッシュ」と「玉ねぎ麹」の料理教室があると知り、札幌黄を取り寄せてオンラインレッスンに参加しました。
「『札幌黄』とは、北海道で古くから栽培されているタマネギの品種で、一度、絶滅しかけたため『幻の玉ねぎ』と呼ばれているほど希少なタマネギです。『北海道で古く』と言えども歴史は浅く、明治初期ごろから栽培が始まったと言われています。味はすこぶる良いのですが病気に弱く、でき上がりも大小さまざまだったり形がいびつだったりするのが特徴で、農家としてはとても育てにくい品種です。札幌黄をベースに品種改良され、病気に強くてたくさん収穫できる品種もあるのですが、味はやはり札幌黄に軍配が上がります。『伝統野菜』や『固定種』が注目されている時代ですが、昔作っていた品種が作られなくなっている背景には、生産現場ならではの理由が多いです」と孝弘さん。
F1品種ではなく栽培が難しいため一時は生産者が激減しましたが、食味が良く加熱するととても甘い「札幌黄」は、スローフード協会の食の世界遺産「味の箱舟」に登録され、近年の在来種への注目もあり、少しずつですが生産者も増えているとのことです。
■札幌黄のお勧め料理
今回の料理教室の講師、綾華さんは管理栄養士で料理研究家としても活動している料理のスペシャリスト。「札幌黄」のおすすめの食べ方を教えていただきました。
「札幌黄は肉質が柔らかく、甘みが強いタマネギです。熱を加えると甘みとコクが出るので、煮込みや揚げ物などがおすすめです。特にメイラード反応が起こるくらい炒めたあめ色のタマネギは、コクが出ますよ」とのこと。
今回習ったキッシュにも、あめ色タマネギをたっぷり。タマネギ、卵、牛乳、チーズとシンプルな材料のみでしたが、甘みがぎっしり凝縮していて、タマネギを存分に楽しめる仕上がりでした。
また、初めて作った玉ねぎ麹は、みじん切りのタマネギに米麹と塩を加えて、4~5日で完成するというもの。これさえあれば市販のスープストックいらずの優れものと聞いて、完成前から楽しみにしていました。
5日を過ぎた玉ねぎ麹は冷蔵庫で保存します。最初に味見を兼ねて作ったのは玉ねぎ麹の玉子スープ。お湯に玉ねぎ麹を加えて一煮立ち。片栗粉でとろみをつけて溶き卵を流し入れると優しい味のスープができました。
そのほかにも、ざく切りにしたトマトを玉ねぎ麹で和えたサラダや、スパゲティや炒飯の味付けとして使ってみましたが、ほかの調味料を足すことなく、おいしく仕上がりました。野菜炒めの味付けやお肉の下味にも重宝しそうです。
「札幌黄」「玉ねぎ麹」どちらも初めての出会いで、新たな知識が増えました。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。