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「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【83】

2020年12月15日

「暮らしの実験室やさと農場」オンラインイベント


野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター 田代由紀子   


 茨城県石岡市にある「暮らしの実験室やさと農場」は「安心して食べられる食べ物を自分たちで作って食べるため」、50年近く前に会員が出資して立ち上げた農場です。

 この農場と、野菜の食べ方・使い方のプロである新田美砂子さんのコラボレーション企画が開催されると知り、オンラインイベントに参加しました。


■オンラインイベント「秋の味覚 さつまいもでおかずを作ろう!」

tashiro_83_1.jpg イベントの前半はやさと農場からで、まず農場の説明がありました。
 やさと農場では、有機農法と畜産を組み合わせた「有畜複合」という農法を採用しており、野菜は無農薬無化学肥料で育てています。自然の季節のリズムに合わせ、旬の野菜を栽培しています。時期や品目によっては、野菜の収穫が年間で途切れないようにビニールハウス等の保温資材を使って温かくするなどの工夫をしています。畜産は動物を育てて肉や卵などを食べ、動物の糞や敷き藁などを積み上げて発酵させた堆肥を、野菜の肥料として使います。動物の餌には、地域の給食残飯や人間が食べられない農産物のくずや雑草などを与えています。動物を飼うことで、そのままでは人間が使えない資源を食べ物や肥料として有効に利用でき、循環の仕組みを実現しているとのことでした。
 
 続いて、今回のテーマ野菜であるサツマイモの貯蔵風景を見せてもらいました。
 以前は畑に穴を掘っていましたが、低温でサツマイモが腐ってしまうことがあったため、14℃くらいの温度をキープできるよう、ハウスの中に1.5mほどの深さの穴を掘り、そこに埋めるようにしました。サツマイモの間にもみ殻を混ぜた土を敷き詰めて、層にして保存しているとのこと。この方法により、今は安定してよい状態が保てているそうですが、時折ネズミが入りこんで困ることがあるそうです。

 外の畑ではネギやダイコン、ハクサイが育っていました。この辺りは黒ボクという肥沃な土壌のため、よい野菜が育つとのことでした。


 後半は、新田さんのキッチンからのライブ配信。「サツマイモのスイートチリソース炒め」を参加者も一緒に作ります。
 新田さんからは、料理の工程だけでなく、料理を作るときの味の決め方、野菜をむだなく使う工夫、衛生的に調理をする工夫、サツマイモの甘みを引き出す方法など、調理のコツを教えてもらいました。
 住む場所も、年齢もまちまちの参加者が、それぞれのキッチンで同じ料理を作るというのは楽しいものです。


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 サツマイモというと、焼きいもやスイーツを想像しがちですが、今回は甘みのあるサツマイモをごはんのおかずとして、おいしく食べられるようにするレシピを学んだので、サツマイモで「おかず」を作ってみました。


■サツマイモと鶏肉のカレー炒め
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【材料】
サツマイモ 中サイズ1本
鶏もも肉  1枚
塩     小さじ2分の1杯
セロリ   1本
こめ油   大さじ2分の1杯
カレー粉  小さじ1~2杯


【作り方】
① サツマイモは2cm角に切る。鶏もも肉、セロリも大きさを揃えて切る。
② フライパンに油をひき、サツマイモを入れて弱火にかける。
③ ②に火が通ったらいったん取り出す。
④ ②のフライパンに鶏もも肉・塩を入れて炒める。
⑤ 鶏肉に火が通ったらセロリ・②・カレー粉を加えてさっと炒める。


 甘みのあるサツマイモは、辛みのある香辛料と合わせると、おかずとしておいしくいただけることがわかりました。また違った料理にもチャレンジしてみようと思います。

たしろ ゆきこ

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。

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