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2020年1月17日
深谷の生産者を訪ねて① エディブルフラワーの「Y's Flower」
埼玉県の北部に位置する「深谷市」。深谷といえば、深谷ネギとそのネギをモチーフにした可愛いゆるキャラの「ふっかちゃん」が有名ですが、深谷市はネギだけでなくさまざまな野菜が栽培されている、全国でも有数の農業地帯です。
そこで、埼玉県を中心に活躍する野菜ソムリエプロの牧野悦子さんに深谷を案内してもらいました。今回は、エディブルフラワー(食べられる花)を栽培するY's Flower(ワイズフラワー)をご紹介します。
■Y's Flowerのエディブルフラワー
深谷市は野菜だけでなく、花の栽培も盛んです。Y's Flowerは観賞用のマーガレットやポインセチアなどの栽培を行う花農家ですが、近年自宅に花を飾る家庭が減少していることから、「観て楽しむだけでなく、目で楽しみ、味わって、四季を感じることができる」エディブルフラワーで花を楽しんでほしいと、栽培を始めたそうです。
左 :Y's Flowerのハウス全景
右 :Y's Flowerの髙橋さんご夫妻とスタッフの柴﨑さん
同じ花の栽培ですが、観賞用とは違い、人が食べて安全なものを作らなくてはなりません。そのためY's Flowerでは農薬を使用せずにエディブルフラワーを育てており、2019年7月に安心安全の認証制度S-GAP(埼玉県が認証するGAP)を取得しています。今まで培ってきた観賞用鉢植えの栽培技術を生かし、病気や害虫が発生してしまった時にはすぐに取り除けるよう、エディブルフラワーはすべて鉢植えで栽培しています。
■エディブルフラワーの味は
ハウスに入ると、赤やピンク、黄色、オレンジと、色とりどりの花の鉢植えが無数に並び、圧倒されます。エディブルフラワーと一口に言っても、花の種類によって色も形も、そして味わいも異なります。
私が訪ねたときには、ダブレット、バーベナ、ナデシコ、ナスタチューム、ビオラなどの花がありましたが、印象的だったものは、ベゴニアの八重「ダブレット」と「ナスタチューム」。「ダブレット」はミニバラのように花が開いているので甘みがあると思って口にすると、意外や意外、しっかりとした酸味があります。お料理のアクセントに使うと楽しそうです。もう一つの「ナスタチューム」は、ピリッとした辛みがありますが、花→葉→実の順に辛みが強くなります。
■味と彩りを楽しみ食卓をはなやかに
収穫は一つ一つていねいに摘み取り、ブロアーで空気を吹きかけホコリなどを吹き飛ばしてから、パック詰めされます。一番の出荷先はウェディングやホテルとのことでしたが、近隣のレストランやケーキ屋さん、最近は、手作り菓子や料理の彩りにと購入される一般家庭の方が増えてきたそうです。
左 :ブロアー作業 / 右 :サラダにナスタチュームの花と葉、オレンジ色のビオラをトッピング
花を食べるというと特別なことのような気がしますが、Y's Flowerの髙橋さん曰く「菜花や菊などは古くから和食に使われていますし、ブロッコリーやカリフラワーも花の蕾がぎっしりと集まったものです。むつかしく考えずに、家庭の記念日料理やおもてなし料理にエディブルフラワーを採り入れて、よりいっそう、華やかにしてみるのもよいのではないかと思います。もちろん、無農薬で栽培された植物の花がすべて食用に適しているというわけではありません。中には人には毒になるものもあるので、エディブルフラワーとして販売されているものを召し上がってくださいね」
私もY's Flowerで摘ませてもらったナスタチュームの花と葉、オレンジ色のビオラをサラダにトッピングしてみたところ、いつものサラダがおしゃれなサラダになり、食卓が明るくなりました。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。