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2019年11月18日
秋の味覚を訪ねて鳥取へ
鳥取県の梨のPRのために、年に一度東京を訪れる鳥取県在住の友人がいます。その友人が鳥取の秋の味覚を存分に楽しめる企画を立てて、迎えてくれました。鳥取砂丘コナン空港のある鳥取県東部から米子鬼多郎空港のある県西部の米子へ、県を横断しながら、梨、柿、シイタケの圃場を見学し、お話を伺ってきました。
■ありのみ倶楽部の「梨」
最初に訪れたのは鳥取県東部、鳥取市河原町で梨の生産を行っている「ありのみ倶楽部」さん。「ありのみ」とは「梨」が「無し」と音が同じことを嫌い縁起を担いで使われる、梨を意味する言葉です。ありのみ倶楽部は60年前から梨の生産を行っている梨農家です。
除草剤を使用せず、有機質肥料を主体に減農薬栽培に取り組み、鳥取県のエコファーマーの認定も受けているそうです。近年は土壌病害対策、受粉や収穫などの作業の軽減や収量のアップのために、新しい栽培方法の根域制御栽培を一部の木に取り入れるなど、常においしい梨を追求し、現在は20品種あまりの梨を栽培しています。
ちょうど旬を迎えた王秋の圃場見学と収穫をさせてもらいました。
王秋は、「二十世紀」と中国梨の「慈梨(ツーリー)」との交配種を元に、さらに「新雪」と交配させて生まれた品種で、鳥取県で日本一生産されている梨です。梨の中では大きめで、縦長の形が特徴的です。上品な甘みと食味がある上、日持ちもよいので、保存状態がよければお正月頃まで食べられるのもうれしい。
旬は過ぎていましたが、ありのみ倶楽部の前田さんが一カ月ほど冷蔵貯蔵していた新甘泉、秋甘泉、秋麗、あきづき、南水、爽甘(そうかん)の食べ比べを用意してくださり、思いがけずたくさんの梨を味わうことができました。中でも「爽甘」は初めて食べる梨で、来シーズンはぜひ冷蔵保存でないものを食べてみようと思いました。
■岡崎ファームの「柿」
次に訪れた「岡崎ファーム」さんは、鳥取県東部の八頭郡八頭町で、樹齢100年以上の柿の木もあるという柿農家です。
除草剤を使用せず殺虫剤に頼らず、虫が大発生しないよう日々畑の管理を手が、肥料にはきのこの菌床堆肥などを使用、近隣の耕作放棄地にレンゲを植えてミツバチを増やす取り組みなども行っているそうです。
今回お話を伺ったのは4代目の岡崎昭都さん。「農家の高齢化でどんどん柿農家が減っています。だからこそ、地域で連携しながら働きやすい環境を作り、きちんと収入を得られるようにして、若い世代に『柿作りをしたい』と思ってもらえるようにしていきたい。気合と根性と笑顔でね」と、とびきりの笑顔で語ってくれました。
今回見学した「花御所柿」は、この地域でしか作ることができない希少な柿です。大和の国(現奈良県)から持ち帰った御所柿を、鳥取県郡家町の「花」と呼ばれる地域(現八頭町)で育てたのが名前の由来です。
ヘタと実の間に隙間ができるヘタスキという果実が多くできてしまうため、栽培に苦労する品種とのことですが、味に変わりはなく、緻密な果肉でなめらかでした。甘みの強さが特徴というこの花御所柿。これから旬を迎えるので、自宅に送ってもらうように頼みました。今から楽しみです。
■小倉山農園の「シイタケ」
最後に訪れたのは鳥取県西部の日南町。日南町は、今回の旅を企画してくれた友人が農林産物アンバサダーを務める一押しの町です。中村町長を表敬訪問した後、車で向かったのは、緑豊かな山の中にあるサワタ建設「小倉山農園」。シイタケ栽培のほだ場です。
日南町の山から切り出したという原木が、まるで芸術作品のように整然と並んでいます。この原木を1本1本組んだという山本さんから栽培の方法やご苦労話を伺いましたが、その言葉一つ一つから、シイタケに対する愛情が伝わってきました。栽培だけでなく、どのようにしたら若い世代にもシイタケを食べてもらえるかと考え、自身で手切りしたシイタケの干しシイタケを試作しているという話が印象的でした。商品になる日が待ち遠しいです。
■おまけ「オッサンショウオ」
日南町の公式キャラクター「オッサンショウオ」が会いに来てくれました。サンショウウオも生息するほど水のきれいな町。野菜も米もおいしいわけです。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。