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2019年8月14日
新品種オクラ「ヘルシエ」セミナー
日本野菜ソムリエ協会主催のイベント「野菜の研究室 美味しいを追求しよう~One Vege Projectオクラ~」に参加しました。このイベントは、一つの野菜をさまざまな調理法で味の変化を検証していく参加型のイベントです。
今回のテーマ野菜は代表的な夏野菜の「オクラ」。オクラはβカロテン、カリウム、カルシウムといった栄養素を豊富に含む野菜です。また、腸の健康を保つために重要な働きをする食物繊維も豊富です。今回用意されたオクラの新品種「ヘルシエ」には、水溶性食物繊維のペクチンが従来の約2倍も含まれています。ペクチンは、オクラの特徴であるねばねば成分なので、当然ながらねばりの強いことが特徴です。
セミナーでは、
1.加熱方法と時間による違い
2.下処理による味の違い
3.合わせる食材による美味しさの違い
4.ヘルシエと従来のオクラの粘りの比較
を行いました。
1.加熱方法と時間による違い
ヘルシエをゆでる(1分30秒)、ゆでる(3分)、蒸し焼き、レンジ(600W1分)と加熱方法を変え、見た目、食感、味、香りなどを確認しながら、好みのものを選んでいきます。
従来のオクラであれば1分もゆでれば、ほどよい食感に仕上がりますが、ヘルシエは水溶性ペクチンが多いせいか、3分間ゆでても軟らかくなり過ぎず、むしろ甘みを強く感じるという意見が多い結果となりました。また、シャキシャキとした食感を好む参加者も多く、1分30秒ゆでたものが好みという意見が2番目に多く聞かれました。熱湯でゆでることでペクチンが水分と反応してねばりが強くなるようで、蒸し焼きやレンジによる加熱よりも、ゆでたヘルシエは、ねばりが強くなっていました。
2.下処理による味の違い
ヘルシエを板ずりして2分間ゆでる、板ずりをして生で食べる、板ずりせずに2分間ゆでる、の3通りで、同じく好みのものを選びます。
板ずりしてゆでたものは、板ずりをしないものに比べて明らかに鮮やかな色になり、食感もよくなりました。
また、板ずりをした生のヘルシエも青臭さが少ない、筋っぽくなく軟らかいと、人気が高いようでした。
3.合わせる食材による美味しさの違い
このパートでは美味しさだけでなく、腸内環境改善を意識した食材との組み合わせを楽しみました。食物繊維に菌をプラスすることで、腸の働きを高めることができると言われています。
今回はゆでて刻んだヘルシエに納豆(納豆菌)、キムチ(乳酸菌)、醤油麹(麹菌)、ヨーグルト(乳酸菌+ビフィズス菌)を合わせました。
これは好みが分かれましたが、私はヨーグルトを合わせたものが一番おいしく感じました。
4.ヘルシエと従来のオクラの粘りの比較
包丁で同じ回数刻んだヘルシエと従来のオクラのねばりを比較。これは一目瞭然でした。
検証のあとは、講師おすすめのレシピ「ねばねばオクラのサラダフォー」を参加者で実習、試食しました。オクラのねばねばとフォーのもちもちとした食感がとてもよく合い、夏らしい一品でした。
「ヘルシエ」はタキイ種苗が販売する「機能性成分」に注目した「ファイトリッチ」シリーズの一つとのこと。一般的に野菜の機能性リコピンやカロテン、アントシアニンなどは味覚として感じることはありませんが、このヘルシエは、ペクチンをねばりという食感で体感できる面白い野菜です。
まだ販売しているところは少ないようですが、ねばりをより味わいたいときに購入したいと思います。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。