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「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【63】

2019年3月19日

春を探しに ~三浦半島へ~


野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター 田代由紀子   


tashiro_63_2.jpg 3月になり、まだまだ寒い日もありますが、少しずつ春の気配を感じる時期になりました。冬野菜中心だった店頭の野菜も、ふきのとうやタラの芽といった山菜類、菜の花やアスパラガス、新タマネギなど春野菜が多くみられるようになりました。


 今回は東京に近い場所にありながら、一足早く春を感じられそうな三浦半島へ出かけました。
 偶然、通りかかった三浦海岸駅近くでは桜まつりが開催されており、満開の河津桜の濃い桃色と足元の菜の花の黄色のコントラストが見事な風景でした。


 この時期、三浦半島をドライブしていると、あちらこちらでキャベツのにおいがします。間もなく収穫される「春キャベツ」と、まさに今が旬の「早春キャベツ」の畑がいたるところにあるからです。三浦半島では古くから冬キャベツが栽培されていましたが、春キャベツ、早春キャベツの栽培は昭和40年ころから始まったそうです。


 春キャベツはとてもやわらかく甘いのが特徴で、生食に向いており、3月から5月まで出荷されます。早春キャベツは、冬キャベツと春キャベツの中間的な性質を持つキャベツとして開発され、1月から2月の早春期に出荷されることからその名がつきました。一番の特徴は、冬のキャベツなのに、やわらかくて甘いこと。その理由は、三浦半島が温暖な気候であるため、通常春キャベツとして栽培する品種の種を冬に栽培できるためです。
 また、飲料工場から出る茶がらやコーヒーかすを堆肥に混ぜたり、マグロの加工残渣(ざんさ)から堆肥を作って利用している農家もあり、三浦半島では環境保全に力を入れた農業が行われているそうです。

 お話を伺った農家の方は、収穫を終え、これから春キャベツの後に出荷される「中早生キャベツ」の苗の定植に出かけるとのこと。この時期は毎日キャベツの作業が続くそうです。


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 三浦半島で必ず立ち寄る大型の直売所では、入口の一番目立つところに「早春キャベツ」が山積みになっており、次から次へと買い物客のカゴに入っていきました。もちろん私も購入し、千切りキャベツや炒め物、そしてキャベツを使ったロールカツでその甘みを楽しみました。


【キャベツのロールカツ】

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【材料】(8本分)
キャベツ     120g
豚肩ロース薄切り 8枚
塩        少々
薄力粉      適量
水        適量
パン粉      適量
油        適量


【手順】
1.キャベツを千切りにして塩を少々ふり、しばらく置いて水気を絞る。
2.豚肩ロース肉に8等分にした1をのせて巻く。
3.2に水で溶いた薄力粉、パン粉の順に衣をつける。
4.フライパンに1cm程度の油をしき、3を転がしながら揚げ焼きにする。


 薄切りの豚肉を使っているので、短時間で火が通るためキャベツが半生に仕上がり、シャキシャキとした食感と甘みが味わえる料理です。

たしろ ゆきこ

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。

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