MENU
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2018年11月16日
秋の味覚! 原木栽培のきのこ狩り
秋真っ盛り、さまざまな秋の味覚がおいしい季節になりました。中でもこの秋、待ちに待っていたのは「きのこ」です。この春に初めて訪ねた東京都青梅市にある内沼きのこ園で、「次はぜひ、秋に来て森の中で収穫するといいですよ」と言われていたからです。
10月に入ってすぐ、訪ねたところ、「今年は夏が暑すぎたせいか、屋外のシイタケが発生していない」とのこと。夏の暑さで高温障害を起こしたか、秋の気温が下がらなかったことが原因のようです。いつになれば収穫できるかは、シイタケ次第、お天気次第。長年きのこ栽培に携わっている園主さんも困惑されているようでした。
幸いなことに、その日は年に数日間しか収穫できない原木栽培のマイタケがあり、立派なマイタケを買って帰ることができました。また、温度管理されているハウスでは、榾木(ほだぎ)からたくさんのシイタケが出ていたので、春同様、ハウス内のシイタケを収穫してきました。
10月27日。内沼きのこ園のホームページに、「本日より林内での椎茸狩りを始めます」とのお知らせが掲載されました。朝晩冷え込むようになり、日中との温度差がきのこ菌を活性化させ、自然発生が始まったようです。秋に取れるシイタケは「秋子」と呼ばれ、野生のきのこと同じ条件で育ち、味や香り、食感が格段に違うと聞いていたので、早速、わくわくしながら訪ねました。
園につくと、前日の雨のせいか、ひんやりと冷たい空気と森の香りが立ちこめていました。とても心地よい空間でした。目の前に積まれたコナラの榾木からは、大小さまざまなシイタケが出ています。以前教えてもらった通り、大きく肉厚で、しっかり傘の開いたものを選んで収穫すると、ハウスのものと比べ、ずっしりと重量感がありました。
今回も園内のバーベキューコーナーで炭火を用意してもらい、とれたてのシイタケを網焼きで食べることにしました。ヒダのある側をきつね色になるまで焼き、裏に返したら透明の水滴が出てくるのを待ちます。口の中に広がる香り、あふれ出るシイタケの水分が、なんともぜいたくな味わいです。園内で販売している、シイタケカレーとシイタケのポタージュスープも試してみました。肉厚なシイタケがゴロゴロと入ったカレーも、濃厚なシイタケの香りのポタージュスープも、少し冷え込む季節にはうれしいおいしさでした。
さらに、今シーズン最後となる原木なめこも購入することができ、初めて原木なめこを味わうことができました。
日本国内で流通しているシイタケのうち、原木栽培は5%足らず。手軽に早く収穫できる菌床栽培ものが一般的なシイタケとなってしまっていますが、園主さん曰く、「原木を使った栽培は、FAO(国際連合食糧農業機関)から世界農業遺産として認定を受けた地域もあるほど自然環境に優しい循環型の農業です。手軽さだけでなく、こういった栽培方法をもっと多くの人に理解してもらいたい」。
価格が安いことは消費者にとってありがたいことですが、いま一度、「食」の大事さを見直す機会になりました。
原木のマイタケがとてもおいしかったので、レシピをご紹介します。
【材料】(2人分)
マイタケ 180g
小ネギ 1把
豚ロース薄切り 100g
(*を合わせておく)
*味噌 大さじ1杯
*みりん 大さじ1杯
*醬油 小さじ1/2杯
塩 適宜
中華麺 2玉
ごま油 小さじ1杯
【作り方】
1.マイタケを食べやすい大きさに割く。小ネギは4~5cmの長さに切る。豚肉は1cm幅に切る。
2.フライパンにマイタケを入れて中火にかけて焼き色がつくまで焼き、皿に取り出す。
3.2のフライパンにごま油をしき、豚肉を炒める。
4.3に中華麺を加えてさらに炒め、合わせ調味料(*)を入れる。
5.4に2と小ネギを加えて軽く炒める。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。