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2018年6月15日
春なのに!東京でシイタケ狩り
さまざまな菌床栽培のきのこが通年、売り場に並んでいますが、「きのこ」といえば、秋の味覚の代名詞のような存在です。私も、きのこの旬は「秋」だと、かたくなに信じていました。
ところが原木で栽培されるシイタケには、3~5月の春、9~11月の秋の年2回、旬があることを知りました。秋に収穫されるシイタケは香り高く、春のものは冬の寒さの中じっくりと成長するので、肉厚で食感のよいシイタケが育つとのこと。そんな春のシイタケを食べてみたいと思っていたところ、東京にシイタケ狩りができるところがあると知り、訪ねてきました。
青梅市にある「内沼きのこ園」。敷地に入ると、森の中にたくさんの榾木(ほだぎ)が積んであります。この榾木は、秋の収穫に向けて菌を植え付けたものです。訪れた6月2日はシーズン終盤で、すでに屋外のものは収穫済みでしたが、ハウスの中で栽培されているシイタケを収穫できました。この時期は、ハウスとはいえ、1日の寒暖の差が大きいので、味、香り、歯ごたえのあるシイタケが育つそうです。
ハウスに案内してもらうと、ニョキニョキとかわいいシイタケがたくさん生えていました。収穫を始める前に、収穫の方法を教えてもらいます。
第一にシイタケの選び方:
シイタケの傘を下から のぞいたときに、内側のヒダがしっかり開いているものを選ぶ。
原木栽培のシイタケのこのような状態は、原木の養分を十分吸い、胞子を出すサイン。この時のシイタケが一番おいしいとのことです。果物やトマトが木で熟れたものがおいしいように、シイタケも「完熟」するとおいしくなるのだそうです。
第二に収穫の仕方:
根元の石づきの部分を前後、左右にゆする。
固い石づきがあるので、ハサミなどを使うと思っていましたが、軽くゆするだけで石づきごとコロリと取れました。
内沼きのこ園では、収穫したきのこを園内で炭火焼きにして食べることもできます。最初にヒダのある側をほんのり黄色く色づくまで焼き、裏に返して透明の水滴が出てきたら焼き上がり。プリッと肉厚でジューシーなシイタケは、口に入れると森の香りがします。また、今まで味わったことのない甘みもあり、原木栽培のシイタケのおいしさを再確認しました。
また、鮮度のよいシイタケは白い鱗状のもの(輪皮)が多く、毛羽だっていること、調理の際は旨みが流れてしまうので、絶対に洗わないこと、保存する場合は、調理の時に使いやすい大きさに切って冷凍保存することなど、シイタケについていろいろ聞かせていただき、おいしいだけでなく、とても勉強になりました。
自然環境に優しく、味もよい原木栽培。よいことばかりのようですが、現実には栽培に適した原木の調達(震災後、東北の良質な原木が使用できなくなり、苦労しているとのこと)、不順な天候や温暖化、労働力や技術の継承など、継続していくことの厳しさも伺いました。
秋には、屋外で、マイタケやナメタケの収穫もできるとのことなので、また、訪ねてみたいと思います。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。