MENU
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2018年4月17日
欧米に学ぶグルテンフリーへの対応
パンやうどん、小麦粉を使った食品はたくさんあります。小麦粉に含まれるたんぱく質「グリアジン」と「グルテニン」という物質が水を加えてこねることで「グルテン」となり、ふっくら、もちもちとした食感となります。このような特徴は小麦粉加工品のおいしさでもありますが、近年そのグルテンが、体に悪影響を及ぼす場合があると注目されています。
今回はグルテンを含まない食品、料理をテーマにしたセミナーに参加しました。グルテンフリーフードのエキスパートとして知られるスペイン人シェフ、アルフレド・ヒル・マルティネス氏による、スペインでのグルテンフリー食事情と、グルテンフリーの調理デモンストレーションです。
アルフレドシェフは「幸せの基本は料理にある。誰であれよい食事を」との思いから、グルテン不耐症や自己免疫疾患の一種であるセリアック病を患う人にも不安なくおいしく食べられる食事を提供したいと、レストランでのシェフや料理学校で教鞭をとっています。
スペインでは、食品全体の60%がグルテンを含んでいると言われているそうです。グルテンは純粋な小麦粉だけでなく、着色料や食品添加物にも含まれています。また、グルテンを含む食材を使った調理器具を使用しないなど、グルテンを含まない食事を提供するには、細心の注意が必要になります。
日本では、容器包装された加工食品にアレルギー表示が義務付けられていますが、スペインでは2014年から、アレルギー表示に加え、「グルテンフリー」の表示が、加工食品だけでなくレストランでも義務付けられているとのことでした。このような食事や食品を必要とする欧米人が増加していることから、日本でも、2年後のオリンピックを控え、レストランなどの対応が求められるようになるでしょう。
今回のセミナーでは、熊本県産の玄米100%で作った玄米パンと、玄米パスタ麺を使った4品の料理が紹介されました。
○マトリモニオ:
薄くスライスした玄米パンに、酢漬けの鰯やアンチョビを乗せたカナッペ
○クロケタ・デ・ハモン:
牛乳と生クリームに米粉を加えて作ったルウに、グルテンフリーのパンで作ったパン粉をつけて揚げたコロッケ
○パスタサラダ ガスパチョのビナグレット:
スペインの冷製スープガスパチョをソースにした玄米パスタ
○ノンフライ・トリハスとナティージャ アイス添え
卵と牛乳に玄米パンを浸したものにブラウンシュガーを振りかけて、表面を焼いたスペインのデザート
4品とも試食しましたが、独特の食感があって風味もよく、小麦粉で作ったものとは一味違うおいしさでした。
わが家でも、お土産の玄米パスタ麺を使って中華風の一品を作ってみました。
【材料】(2人分)
玄米パスタ麺 2袋(240g)
肉味噌
豚挽き肉 200g
タケノコ(水煮)100g
シイタケ 3~4枚
ネギ 5cm
ショウガ 小1片
水 100cc
甜麺醤 大さじ2杯
醬油 大さじ2杯
片栗粉 大さじ1杯
キュウリ 1本
【作り方】
① 肉みそを作る。タケノコ水煮、シイタケをそれぞれみじん切りにする。
② ネギ・ショウガもそれぞれみじん切りにする。
③ フライパンに豚ひき肉を入れて火にかけ、色が変わったら②、①の順に入れて炒め、醬油・甜麺醤を加える。
④ 倍量の水で溶いた片栗粉を入れてとろみをつける。
⑤ キュウリを細切りにする。
⑥ 玄米パスタ麺を3分ゆで、流水で流し水気を切る。
⑦ 器に⑥を盛り、④の肉味噌、⑤をトッピングする。
※使用した玄米パスタは「玄氣堂」
グルテンフリーの食材は、グルテンを避けなければならない人にとっては、有用な食材となるでしょう。しかし、グルテンをとっても問題のない人が、やみくもにグルテンフリーを「健康的な食事」と考えるのは避けるべきだと考えます。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。