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2017年12月18日
農業を「楽しむ」ために始めたカフェ「畑のGOCHISO」
可愛らしいウサギのロゴマークに、シンプルでスタイリッシュな看板が目を引く店を訪ねました。都会のおしゃれなカフェのようですが、ここは茨城県水戸市、兼業農家の江原さん一家が4年前にオープンした畑のカフェです。
オーナーの江原典子さんは兼業農家に嫁ぎ、仕事をしながら子育てをし、繁忙期には農業を手伝いました。当時は農業を楽しむ余裕もなく、日々、仕事や家事に追われる毎日だったと言います。そんな江原さんに転機が訪れたのは、数年後の定年を意識し始めたころ。一度しかない人生、自分の本当にやりたいことをやろうと決意したそうです。
■家族の想いが形に
「夫が畑で作る野菜。その野菜を使って料理をし、人々をもてなしたい」。そんな想いが実現するには、家族の力が大きかったようです。当時、芸術大学大学院生だったお嬢さんが、卒業制作としてカフェを設計したのです。「娘の卒業設計を実際に建ててみたい」。江原さんはそれを現実のものにすべく、飲食店のリサーチや経営、専門的な料理の勉強などにはげみました。また、東京で働いていた息子さんも経営にかかわることとなり、家族一丸となっての一大事業となったのです。
肝心の農業は、一部を「農業体験農園」として運営を始めました。野菜を育ててみたい、土に触れたいという借主に野菜の作り方を指導して畑を残し、まわりの自然も残すという選択に至ったそうです。
■新鮮野菜をおいしく食べるカフェ
「畑のGOCHISO」のコンセプトは「新鮮な野菜をおいしく食べるカフェ」。ご主人の作る野菜のほか、近隣のJAや農家から直接届く野菜を使っているので、鮮度は抜群です。生産量日本一を誇るメロンやレンコン、ピーマンなど、茨城県ならではの野菜の豊富さも強みです。
お店一番の人気メニューは、イタリアのホットサンドウィッチ「パニーニ」。具だくさんのサンドウィッチには、有機無農薬栽培のルッコラやマスタードリーフ、赤や黄色のパプリカなど、茨城県産の野菜がふんだんに使われています。ランチセットのサラダのドレッシングも地元産の野菜を使って手作りし、おいしさを重視したというスムージーにも野菜がふんだんに使われています。
■農業の新たなカタチ、人々が集う畑の中のくつろぎ空間
農地だった場所に立つこのカフェには、木々が立ち並ぶ中庭、農園や自然の風景が目の前に広がります。本来の農地とは少し異なりますが、多くの人が足を運ぶ「農業体験農園」として、畑のある風景を残したいという江原さんの想いが叶いました。
おいしいものや自然を愛する人々が日々集い、その輪がどんどん広がっているといいます。詳しくはオーナーの著書「畑でGOCHISOをつくる」(ゆたり出版)につづられています。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。