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2016年9月15日
伝統野菜に親しむ! 江戸東京野菜料理教室~内藤カボチャと内藤カボチャプリン~
江戸東京野菜42品目の1つである「内藤カボチャ」をテーマに、料理教室を開催しました。
内藤カボチャとは、江戸時代に現在の新宿御苑のあたりにあった信州高遠藩内藤家の下屋敷で盛んに栽培されていたカボチャです。内藤家の領地は四ツ谷、代々木、千駄ヶ谷、大久保にわたったと伝えられています。鷹狩の際に、徳川家康に「馬で乗り回した土地をすべて与える」と言われた内藤清成が、白馬で一気に駆け巡ったのがこの広大な土地であると言われています。白馬は家康の元へ駆け戻った直後に息絶えた、という駿馬伝説もあり、新宿区内藤町の多武峯内藤神社(とおのみねないとうじんじゃ)には、「駿馬塚(しゅんめづか)の碑」が残っています。
そんな歴史のある内藤カボチャを、参加者の皆さんと一緒に学び、味わいました。
■カボチャの食べ比べ
スーパーなどで売られている一般的なカボチャは西洋カボチャで、ホクホクとして甘味の強いものが多いですが、内藤カボチャなどの日本カボチャは、水分が多くねっとりとし、あっさりとした味わいが特徴です。その違いを体感してもらうために「食べ比べ」を行いました。
今回用意したのは4種類。内藤カボチャの大きなカボチャ「大菊」と小さなカボチャ「小菊」(写真右上)、西洋カボチャで加賀野菜の「打木赤皮甘栗かぼちゃ」と黒皮栗カボチャの「えびす」。表面の皮も見比べてもらえるよう、皮つきのまま焼いたものと蒸籠で蒸したものを用意しました。参加した皆さんは、しばし沈黙した後、色、形といった見た目や香りや食感、甘味の程度などを、食べ比べシートに記入していました。
今回の食べ比べを行って、私も日本カボチャと西洋カボチャの違いをはっきりと感じることができました。
■内藤カボチャ料理のデモンストレーション
ねっとりしていて甘さ控えめな日本カボチャは、煮崩れしにくく、出汁の旨味を含ませた煮物がおすすめと言われています。しかし、煮物以外でも日本カボチャの特徴をいかしたお料理があると、今回の特別講師、江戸東京野菜コンシェルジュ協会理事の上原氏が、内藤カボチャを使った料理のデモンストレーションを行いました。
さらりとして上品な甘味を生かしたポタージュスープ、炒めても柔らかくなりすぎない性質をいかして春巻きの具に、洋風食材と合わせたカプレーゼなど、新たな日本カボチャの使い方に目から鱗でした。
そして、今回一番のメイン料理「カボチャのプリン」は、上原氏のデモンストレーションのあと、参加者の皆さんにもカボチャのくり抜きの実習を行ってもらいました。くり抜いたカボチャはひとり1個お持ち帰りです。ヘタの部分がすっぽり抜けるたびに、みんなの「おぉ~!」という歓声が!! 楽しいひとときでした。
ふだん、なじみの薄い伝統野菜も、このように楽しんでみなさんと学び味わうことができて、とても有意義な時間になりました。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。