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2016年6月17日
JAしもつけ とちぎのトマト見学
野菜ソムリエとちぎ野菜サポーターとしてJAしもつけ、栃木トマト選別施設と、JA全農の直営農場「ゆめファーム全農」のハウスを見学させていただきました。
今が最盛期のトマトの選別が行われていた選別施設には、30名の農家がトマトを運び込みます。品種はマイロック。
コンテナに入ったトマトは、ロボットパレタイザーという頑丈そうなアームのロボットでベルトの上に乗せられ、運ばれていきます。カメラの画像処理により色やキズ、大きさや形を選別し、光センサーによる糖度や酸度の選別も一瞬で行われます。
この施設では箱詰め用の段ボールの組み立てから梱包、トレーサビリティーのためのバーコードや印字、選果の集計など、ほとんどがオートメーションで管理されています。そのため1日に2000~3000ケースものトマトは、生産者や品質を数値化することで、品質の管理・安定が徹底されているそうです。
とはいえ、最初の目視での選別と箱詰めだけは、人の手で行われます。次々に運ばれてくるトマトのキズを一瞬で見つけたり 一見赤くておいしそうに見えるトマトを、流通の状況(温度や日数)を考慮して規格外にしたり、長方形の箱にぴったり収まるように並べたりと、 熟練の技が光っていました。
右 :箱詰め作業
つづいて訪れたJA全農直営農場「ゆめファーム全農」で話を聞いたのは、夢ファーム全農技術主管で、43年間トマト専門に栽培を行っている大山寛さん。しもつけトマト部会として「天皇杯」や農水省の「農業技術の匠」、そして「黄綬褒章」を受賞されている、国内有数のトマト生産者です。
栃木県は冬の日照量が多く平坦で水がよいので、施設栽培に適していること。ゆめファーム全農での実証栽培での成果(※)が実を結び、Uターンによる若い農家が増えていることなどを熱く語ってくれました。
※ 年間出荷量43t/10aを達成。全国平均は10~20t/10a
ハウスに入ると、高さ5mの大きなハウスにトマトの幹がワイヤーで整然と吊り下げられています。8月に定植し、10月から収穫が始まったというトマトの根本には、すでに収穫を終えた幹がとぐろを巻くように横たわっていました。特殊なフィルムを使用した高軒高ハウス栽培という栽培法で綿密なデータ管理を行い、「植物の状態とハウス内環境の見える化」を図っているそうです。近年施設栽培の技術は高度化が進んでおり、ハウス内のようすを携帯電話などでもチェックできるとのこと。思い描いていた農業のイメージとのギャップに驚きました。このような品種選定・栽培管理・収穫・出荷までの実証栽培は、 新規就農者の研修の場として、生産者同士の情報交換のレベルアップにつながっているとのことです。
左 :高さ5mのハウスでの作業 / 右 :8品種のトマトの食べ比べ
視察の最後には、ここで試験栽培されているトマトのうち8品種のトマトを、品種名を伏せて試食させていただきました。 今回一緒に視察に訪れた野菜ソムリエ4名、好みのトマトは別れたものの、「おいしい」と感じたトマトはすべて日本産の品種で、外国産とのかけ合わせで作られたものは、誰も選びませんでした。やはり、食べ慣れた味をおいしいと感じるからなのでしょう。
普段の買い物では見た目や産地、価格が購入のポイントになりますが、品種やどのように育った野菜なのかを知ることができれば、選び方も変わるのではないかと感じた視察でした。
これからの季節、私の一番のお気に入りのトマトの食べ方は、トマトの冷製スープ「ガスパチョ」。飲むサラダともいわれるこのスープは、食欲のない時でもゴクゴク飲めて、夏バテ防止にぴったりです。
【材料】 4人分
トマト 中4個
キュウリ 1本
ピーマン 1/2個
タマネギ 1/4個
ニンニク 1かけ
パン粉 大さじ1
水 100cc
白ワインビネガー 大さじ1
オリーブオイル 大さじ1
塩 小さじ1
【作り方】
1.トマト、キュウリ、ピーマン、タマネギをざく切りにする。
2.ニンニクをみじん切りにする。
3.1、2とパン粉・水・白ワインビネガー・オリーブオイル・塩をミキサーに入れ、野菜がなめらかになるまで回す。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。