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2016年3月17日
江戸東京野菜「ノラボウ菜」圃場見学
江戸東京野菜のイベントに参加しました。これから本格的な収穫を迎える「ノラボウ菜」の収穫体験&試食会です。
講師は、圃場を見学させてくださった三鷹市の冨澤ファームの冨澤剛さんと、ノラボウ菜の特徴を生かしたおいしい試食を準備くださった、クッキングインストラクターで江戸東京野菜コンシェルジュ理事でもある、上原恭子さんです。
まず、冨澤さんから、冨澤ファームの理念や取り組みについてのお話を伺いました。
「ここは三鷹の住宅地の合間にあるので、地域循環型の農業に取り組んでいます。近くの国際基督教大学の構内で落ち葉を集めたり、また農工大の馬術部の馬糞を譲り受けて作った堆肥で土づくりを行ったり、アブラムシの天敵であるテントウムシやクサカゲロウを利用して農薬の使用を減らすなど、環境に配慮しています。また、玄関先の直売所での販売や地元の小学校の給食での利用、三鷹市内の「こども食堂」(※)に野菜を提供するなど、地域に根ざした農業を行っています」とのことでした。
江戸東京野菜との出会いも、小学校で大蔵大根を育てたいという依頼がきっかけだったとのこと。地域とともに歩む柔軟さを感じました。
※ 「こども食堂」:さまざま事情から一人で夕食をとりがちな子どもに、だんらんの場とバランスのとれた食事を提供するため全国各地で試みられている施設
伝統野菜として江戸東京野菜に認定されている野菜は、現在42品目。その多くが味や大きさ、価格といった面から、飲食店や特別なお店でないと受け入れにくいものです。でも、この「ノラボウ菜」はとても柔らかく、甘みも強く食べやすい野菜でした。地域によってはエグミや固いものもあるようですが、冨澤ファームのノラボウ菜は、五日市の生産者から受け継ぎ自家採種しているもので、一般の方にも十分受け入れられる野菜だと思います。
圃場でさっそく収穫体験。収穫の仕方を教えてもらい、「太い茎が甘くておいしいんだよ」との教えに従い、私も立派なノラボウ菜を収穫しました。
収穫の後は、お楽しみの試食会。最初はさっとゆでただけの葉、茎、つぼみを食べ比べ。どれもクセがなく甘みたっぷりです。特に茎の部分は柔らかくてスジもなく、甘みが強いので、味付けせずそのままで十分おいしく感じました。
さらに、用意されたお料理は「ツナマヨ和え」「キムチ風の和え物」「ペペロンチーノ」。どれも手軽に作れそうなものばかりで、ノラボウ菜の個性が生かされたすばらしい料理です。このように和洋中、どんなジャンルお料理にも使いやすい野菜なので、さまざまな料理に応用できそうです。
3品の中でも私の一番気に入った一品を、特別に上原さんにお聞きしたので、ご紹介いたします。
【材料】
ノラボウ菜 300g
イカ塩辛 60g
おろしショウガ 小さじ1
おろしニンニク 小さじ1
韓国唐辛子(中挽き)小さじ2
醤油 小さじ1
砂糖 小さじ1/2
ゴマ油 小さじ1
【作り方】
1. ノラボウ菜を切り、さっとゆでて少量の醤油(分量外)をかける。
2. イカ塩辛を刻み、それ以外の調味料を混ぜる。
3. 1の水分を絞り、2で和える。
※ワンポイント! イカの塩辛は冷凍してから細かく刻むと調理が楽です(上原さん談)。
立派なノラボウ菜を抱えて帰路につくと、バスの中で、母と同世代のご婦人方に「あら、それは何?」「畑に行ったの?」「どうやって、いただくの?」「新しい野菜なの?」と、質問責めに。ノラボウ菜の説明や、三鷹の素敵な農家さんのことや、お料理のことなどを話すと「あなたの話を聞いていたら楽しくなったわ!」というオマケのついた、うれしい収穫体験でした。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。