MENU
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2015年10月21日
ご当地「ソース」発見!
いにしえの東京の人々の食卓を支えてきた伝統野菜「江戸東京野菜」について学ぶようになってから、東京産の野菜、特に多摩地区で作られた野菜・果物にがぜん興味を抱くようになりました。
そんな時に出会ったのが「西武線ソース」! 多摩地区の野菜を使ったソースで、中身はもちろん、ラベルに描かれた黄色い西武鉄道の電車にも、西武線利用者としては愛着がわき興味津々。工場見学をお願いしたところ、快く応じていただけました。
身近な調味料であるソースですが、今までその原材料をあまり気にすることはなかったように思います。漠然と野菜や果物を煮込んでいるのだろうと思ってはいましたが、今回の工場見学で、豊富な野菜と香辛料から作られることを再確認しました。
「シナモン、ナツメグ、キャラウェイ、クローブ、セイジなど十数種類の香辛料とタマネギ、ニンジン、セロリなどの野菜を高圧釜で煮だしたものにリンゴ、赤砂糖、酢を加えたものがウスターソース。さらにトマトやリンゴを加えたものが中濃ソースになります」と教えてくれたのは、西武線ソースを作る株式会社ポールスタアの広報、村上さん。ソースの茶色はスパイス由来の色なのだと知りました。
また、嘉永3年(1850年)から続く歴史のある会社で、元は醤油を作る会社であったこと、39年前、現社長が醤油では大手が強くてやっていけないと、ソースやタレを作る会社に転換したこと、他社との差別化として合成保存料、化学調味料無添加にこだわっていることなど、会社の歴史や商品についても詳しくお話を聞かせてくれました。
ソースだけでも10種類以上販売されており、それぞれ香辛料や野菜の配合、加える調味料で特徴があるとのこと。代表的なソースの味比べをしました。
西武線だけでなく「中央線ソース」や工場のある東村山にある国宝「千体地蔵」にちなんだ「千体地蔵ソース」など見ているだけでも楽しくなります。味も甘みや酸味、マスタードの効いたもの、フルーティーなものなどそれぞれ違い、同行した皆さんと「これは豚カツ、これはメンチカツ、これはコロッケ」と相性のよさそうな料理名が飛び交い、楽しいひとときでした。
「西武線ソース」は、ラベルに「小平ブルーベリー、清瀬にんじん、狭山茶、多摩川梨入り」とあるように、ブルーベリーが効いてとてもフルーティーで、色も紫がかっています。退色しないようこの色を出すのに苦労があったそうです。
工場も見せてもらいましたが、機械だけなく手作業が多い印象で、商品を大事に扱うようすが感じ取れました。原材料に国産野菜を使い、「無添加」というこだわりを見聞きして、ますます「西武線ソース」がおいしく感じられ、応援したい気持ちになりました。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。