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2015年6月18日
ピカピカのナスと素敵な笑顔に出会いました
このたび、今年度のとちぎ野菜サポーターに任命いただきました。(右下写真)
首都圏在住の野菜ソムリエ5名が「とちぎ野菜サポーター」として栃木県の野菜や果物について学び、その魅力を情報発信していきます。
栃木県は米をはじめ、さまざまな野菜の一大産地です。大消費地である東京からも近く、鮮度のよい野菜が日々届いているので、私たち首都圏で生活する者は気づかずとも、栃木県産の野菜を口にしていることでしょう。今回のこのサポーターをきっかけに、栃木県の農業について、また農産物への取り組みについて学び、「知らないで食べる」から「知って食べる」おいしさの付加価値を見つけていきたいと思います。
【ナスの圃場見学】
サポーターとして訪れたのは、これから最盛期を迎えるナスの圃場です。宇都宮市の南東に位置する真岡市の生産者、山田勝己さんのナス畑。山田さんはナスのほかにも米やネギ、アスパラガスの栽培も行っており、ナスは1反2畝に、800本を栽培しています。
3月に土壌消毒や元肥を施し、4月に定植、6月5日に初出荷したナスの木は、私の胸の高さほどまで伸びており、いくつもの花や実を実らせていました。毎朝5時から収穫作業を行い、今の季節は8箱(1箱に約100本)、最盛期にはその3倍ほどのナスが収穫できるとのことでした。これから休むことなく、霜の降りる11月まで収穫が続きます。
よく手入れされたナスの木を見せていただきながら、「なぜ大きな葉は取り除くのか」「取るべき脇芽とは」「ナスの花はすべて実るって本当?」「カメムシの多い年はどんな年?」など、初歩的な質問にもていねいに答えていただき、わずかながら野菜を作っている私には、大いに勉強になりました。
終始笑顔の山田さんに、「ナス栽培、農業で一番大変なことはなんですか?」とたずねたところ、「たいへんなことなんて、ないよ。毎日楽しくてしかたないよ」と、すてきな笑顔で答えてくれました。以前、野菜に音楽を聞かせると成長が早くおいしく育つと聞いたことがありますが、山田さんの笑顔もナスをおいしくさせる効果があるのでは!? と思うほど、ピカピカのおいしそうなナスが実っていました。
ちなみに、山田さんの好きなナスの食べ方は「漬物」。鮮度がよく皮が薄いナスは、やはり生食がおすすめなのでしょう。
【JAはが野パッケージセンター見学】
野菜は収穫されただけでは商品になりません。「荷造り」作業が必要になりますが、これが農作業全体の6割にも及ぶとのこと。これを軽減するために、栃木県内のJAはが野には4カ所のパッケージセンターがあり、イチゴやナス、トマトなどの青果物を集め、調製を行っています。
見学した時はナスの選果選別を行っており、ベテラン作業員が1本ずつていねいに仕分けするようすを見せていただきました。この選別により、質の悪いものは除かれ、安定した高品質のものだけが店頭に並ぶのです。
また、売り先のニーズに合わせて3本入り5本入り、600g袋などの規格で出荷されるため、販売店での作業・経費が削減され、販売価格に反映されるそうです。
JAはが野のナスは、「千両2号」という品種。皮が薄く、柔らかい果肉のため、生でよし、焼いてよし、煮てよし、揚げてよし、どんな料理にも使いやすいナスなので、これから旬をむかえ、食卓への出番が増えることでしょう。
近年、伝統野菜のような希少な野菜に注目が集まり、話題にのぼることが多いです。私も興味深く感じていますが、日々、口にする野菜についても、産地や栽培方法、生産者さんの想いなど学んでいきたいと感じました。
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。