芦北サラダたまねぎの栽培を中心に、さまざまな出来事をお伝えします。

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◆2007年10月

播種 その2

2007.10.30

 「サラたまちゃん」は除草剤を一切使用しないというこだわり栽培のため、植え穴から発生する雑草を手作業で除草します。タマネギの移植機械は開発されていますが、植え穴が大きく、発生する草の量も多くなるため導入が進んでいません。

 しかし、生産農家の高齢化も進み機械化対応は大きな課題となっています。本年度よりマルチ対応の全自動移植期の検討を実施しています。


 野菜播種機を使用した種まき   セルトレイ448穴を使用


 全自動移植期はこれまでの育苗方法と違って、448穴セルトレイを利用して育苗します。10月9日に播種を実施しました。

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品種選定および播種その1

2007.10.15

 『サラたまちゃん』は水分含量が多く甘味があり、辛味成分も少ないため、生で食べても美味しいタマネギです。そのため、品種選定においては他産地に先駆けて出荷できる早生性と、併せて食味が良好であることにもこだわっています。


 極早生品種「浜育」を導入したことにより、品質が向上し価格が安定している3月からの出荷が可能となりました。現在は、収穫時期によって超極早生の「浜笑」、「貴錦」、「濱の宝」、極早生の「浜育」、早生の「サラたまちゃん(水田用)」「サラたまちゃん(畑用)」および「七宝7号」を使い分けています。


播種 その1

播種作業は、品種によって時期を変えながら行います。今年も9月15日頃から播種作業を行いました。あまり早く播種しても苗の生育が旺盛になりすぎて良くありません。近年は暖秋・暖冬が続いており、播種時期の見極めが難しくなってきました。

シーダーテープを使った播種作業(播種講習会)   播種講習会で部会員と


 シーダーテープで加工した種子を育苗床に播種します。1週間ほどで発芽がそろいますが、播種後20日間は毎日の灌水が欠かせません。

 育苗日数は品種によって45日から55日間です。

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「サラたまちゃん」振興大会

2007.10.13

サラたまちゃん振興大会にて


 10月12日、平成20年産「サラたまちゃん」の生産振興を図るため、生産者、市場、熊本県芦北地域振興局、水俣市役所を参集して「サラたまちゃん」振興大会を開催しました。


 「サラたまちゃんの大きな挑戦」と題した大会では、平成19年産の生産・販売報告、平成20年産の生産・販売計画、選果場の年間事業計画について協議した後、「サラたまちゃん」を販売いただいているスーパーのバイヤーより基調講演をしていただきました。
 
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育苗床の太陽熱消毒

2007.10. 8

太陽熱消毒終了時期の育苗圃場


 太陽熱消毒は、育苗圃場を夏期の高温と湛水によって酸素欠乏状態にし、湿熱により土壌中の病害虫を殺菌・防除し、雑草の種子が発芽できなくするものです。また、粗大有機物を短期間に分解するため、土づくりにつながっています。


 本圃10aあたり20坪の育苗圃場に完熟堆肥、石灰窒素、PK化成、エンリッチケイカル60(土壌改良材)を散布し、耕起・畝立てを行います。十分灌水して、表面をマルチフィルムで覆い、35日~45日間処理を行います。

今年も7月の下旬から9月の中旬まで処理を実施しました。

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「サラたまちゃん」産地の歴史

2007.10. 8

 私の住む水俣・芦北地域は、熊本県の最南部で鹿児島県と隣接する風光明媚な地域です。東は九州山地が走り、西は不知火海が広がっています。

高台から不知火海を見下ろす

 
 水俣・芦北地域のたまねぎ『サラたまちゃん』は、温暖な気候を生かし、1961年から水田裏作として栽培されていましたが、当時は4月中旬からの出荷中心で、販売単価は不安定でした。


 以前から、生産者の中からは「あと1カ月早く出荷できないか」という声がありました。当時農協の営農指導員であった私は、それに答えようと農家の畑を借りて、品種の比較試験などに繰り返し取り組み、3年間の苦労のかいがあって、ついに3月に出荷できる極早生のたまねぎと出会ったのです。


 このたまねぎを部会での試食会に持ち込み、試食を行った結果、部会員からは「たまねぎはこげん(こんなに)甘かったか」「こんまま食べらるっぞ」との声が出たことから「サラダ用として売れんじゃろかい」となり、その年の春すぐに東京、大阪、名古屋などの大消費地で「試食宣伝会」を開催しました。

たまねぎの圃場


 しかし、当時はたまねぎを「生で食べる」ということには何となく抵抗がありましたし、「水俣病」に対する消費者の理解不足から、部会員の熱い期待とは裏腹に、消費宣伝会での消費者の反応は悪いものでした。


 水俣に帰り、部会員と夜通し徹底した議論を重ねました。

 消費者に「たまねぎを生で食べたい」という意識を持ってもらうためには、旧来の栽培方法や食文化を生産者の側から消費者に提案する意気込みが必要ではないか、との結論に達しました。


 「それなら徹底的に環境に配慮して栽培しよう」と、逆境を逆手にとって、除草剤を一切使わず、化学農薬・化学肥料も極力減らすことで消費者の意識を180度変えてもらおうという、私達の取り組みが始まりました。

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