普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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blog_hukyu_enokida_f.jpg 北海道
榎田純子

乳牛の成育目標を持とう

2025.02. 4

 令和6年2月に酪農女性を対象とした、ほ育・育成牛の飼養管理研修会を開催しました。
 その研修会で、講師の酪農試験場OBから、こんな投げかけがありました。
 「自分の牧場の乳牛の現状を知った上で、どんな牛に育てたいのか、そのためにどんなことをしていくのか、目標を立てて実現していくことが大切ではないでしょうか」
 目標を立ててみたいと手を挙げた酪農女性の牧場で、ターゲットグロース調査に取り組みました。


 5月に、ほ育・育成牛全頭と成牛10頭の体測調査を普及センター地域係と酪農試験場研究員と共に行いました。
 実測した体測データから成育曲線を講師と酪農試験場で作成し、酪農女性、普及センター、試験場で検討を行いました。
 理想の初産分娩月齢にはなっていないこと、成育停滞が初回授精開始の前に起こっており、密飼いになっていることが要因ではないかと検討されました。


 牧場では、密飼いを解消すべく、10月に群分けを実施しました。
 11月に2回目の体測調査を行いましたが、群分けをした効果はまだ現れていませんでした。次の体測調査では、効果が数字に現れることを期待しています。


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11月に行った体測調査の様子


 この取組で、農業者自身が自分の牧場の課題に気づき、改善策を考え実践することができました。普及センターは、農業者と共に調査し共に検討したことで、農業者の取組を支援しました。

榎田純子

平成10年に北海道庁に普及職員として入庁し勤続26年、今年(令和6年)50歳になりました榎田純子と申します。現在は、北海道の東、酪農王国別海町にあります根室農業改良普及センターに担い手主査として勤務しています。こちらのブログで、北海道の農業・農村で働く普及の仕事について紹介していきます。どうぞ、よろしくお願い致します。

blog_hukyu_katano_f.jpg 秋田県
片野英樹

大盛況だった農業者発展フォーラム

2025.01.14

 秋田県由利地域振興局農業振興普及課の片野です。令和7年もよろしくお願いします。

 たびたび古い話で恐縮ですが、令和6年12月18日、当管内の農業者・法人が一堂に会する「由利地域農業者発展フォーラム」が開催され、200人を超える参加があり大いに盛り上がりました。


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フォーラムの全景


 筆者不在のまま、「今回はパネルディスカッションで行こう!」となり、「コーディネーターは農業振興普及課長にしてしまえ!(筆者想像)」と決まっていました。
 「地域農業の今後の展開~持続可能な農業経営と農地利用のために~」と題し、新規就農者と農業法人、関係機関がパネリスト・アドバイザーとして登壇しました。地域の農地を維持するためにどうすべきか、農業者の確保をどうすべきかの2点について熱い議論が交わされました。


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コーディネーターの筆者


 1時間30分という長丁場でしたが、あっという間に過ぎていきました。200人を前にしたコーディネートは初めてであり、さすがに1時間30分集中しっぱなしは、老体にこたえました。


 閑話休題。事前の打ち合わせでは、どんな格好で登壇するかと話題になり、「筆者はノーネクタイで行くから気楽な格好で」と申し合わせたのですが、当日は全員バリッと決めて、ある方から「ネクタイがないと首元が寒いから」と言われる始末。普段からネクタイだけは持ち歩くよう心に誓いました。

片野英樹

秋⽥県で平成4年度採⽤から普及指導員ほぼ⼀筋で32年経ちました。主に⽔稲‧⼤⾖担当でしたが、⼀時期集落営農や法⼈育成にも携わりました。現在は県庁内で水田農業の全般的な推進と普及職員の育成支援に取り組んでいます。

blog_hukyu_kasahara2_f.jpg 青森県
笠原 均

鳥獣害対策という名目で柿が食べたい(前編)

2025.01. 9

 別に隠している訳ではないですが、私は本業の普及活動だけでは物足りず、自宅のある町内を中心に「地域おこし活動」をやっています。本業だとあんまり無茶できないのですが、地元でやる分には知り合いもいるし、思いっきりやれるのです。


 どこでもそうですが、高齢化が進むことで収穫されない果樹って、確実に増えていきますよね。私が地元で気になっているのは、柿、クルミ、イチジク、栗です。そういえばザクロもありますね。私は普及指導員ですので、鳥獣害対策も重要な業務な訳で、野生動物を肥やす行為には、鋭く目を光らせてます。


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生成AIによる地域の鳥獣害のイメージ


 そこで誰にも収穫されない近所の柿を、今回は私が「採ってあげる」ことにしました。「採ってあげる」などとエラそうに言ってますが、私は柿が大好物で、ポリバケツ一杯でも独り占めしたいくらいです。ですから野生動物に食べられるくらいなら、私が食べたい。


 それでも「お宅の柿、どうせ食べないんだから、私、勝手に食べてもいいですよね?」と言うのは、今後のお付き合いに影響しそうです。さらに柿を収穫すると言っても、柿の木一本、丸々収穫するはかなりの労働力が必要です。さらに青森県で生えているのは渋柿で、渋を抜くには焼酎がいるし、焼酎につけた柿を保存する大きなビニール袋も入ります。とにかく金がかかるのです。


 そこで私は考えました。
「そうだ!食育イベントにしてしまおう!」


 ということで、柿の木の持ち主の了解を得て、近所のお友達らに「参加費一人300円! 柿取り放題! 渋抜き指導します! 子供の食育体験に!」とLINEしました。すると、なかなか好意的な反応なので、続けざまに「11月3日(日)9時、我が家の玄関前に集合!」とやると、当日は近所の人や子供が結構集まりました。すでに皆さんやる気で、軍手、脚立、かご、高枝ばさみも用意しているじゃないですか!しかも、近所のおじいちゃんに至っては、トラックで来ている・・・。


・・・と、今回はここまで。一気に書くとネタがなくなっちゃうのよ。

笠原 均

青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。 プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。 加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。

大分県
塩崎洋一

時には自分の普及活動

2024.12.30

 この日は、肥育のSさんところで、体重測定でした。
 年末で勤務期間終了なので、挨拶もしておかねば、と思ったところです。


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まずはGET。ロープで輪投げです。農場によっては、長めのフックで鼻ぐりを引っかけたり、いろいろです


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他の牛を捕まえることを考慮して、繋ぎます。注意するのは、他の牛が、この子を繋いだロープの下をくぐることです。だから長めに、なるべく高さのあるところで繋いでおきます。捕まえながら、牛の観察もします。こいつ、元気ねえなあ、とか


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終わったあとの雑談が大切。60年やってるSさんでも、うっかりがあったりします。雑談の中から、牛舎での改善点を提案したり、本人が解りやすく、やりやすい方法で伝えます


 さて、ブログを始めた南部振興局勤務の前の広域普及員時代、県庁の普及主務課でのこと。


塩崎「耕種園芸の反収調査は坪刈りとかじ、男(子)でん女(子)でんでくるけど、肉用牛の反収はデイリーゲン(DailyGain:1日増体)やから、体重量らんとならん。けど、牛捕まえよっち怪我したら、公務災害になるんかな。『若えもんを鍛えてくれ』ち言われてん、畜産担当は牛を捕まえなならん」


主務課担当「公務災害にはならんから、そりゃあ、農家か農協に捕まえてもろうて」


塩崎「そげぇ言うてん、それじゃあ普及員が牛も引ききらんじ、農家ん信頼は得られんで」と返すが、議論にもならず。
 技術もデータ収集も普及方法もセットだという、典型的な会話です。


 ですが、やっぱり大きくなった肥育牛は、大変です。でも、やらねばならないし、牛に怪我はさせられない、自分も怪我をするわけにはいかない。若手に怪我はさせられないけれど、覚えさせねばならない。こんなことの繰り返しです。
 たまに思いますが、試験場でのデータと現場でのデータ、やっぱり違うなあ、と。私だけでしょうか。


 さて、これにて普及活動の第3幕が終わります。
 これまでお読みいただき、ありがとうございました。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興で普及活動の第二幕、北部振興局で普及活動第三幕を終えた矢先、北部からさらなる要請があって第4幕が上がった。なかなか自分のやりたいことに集中できない、でも断れないジレンマを抱えながら、それでも全力で普及員をやる気持ちです。

大分県
塩崎洋一

熟度調査

2024.12.28

 実を言うと、私は学生時代から、草の類いが苦手でした。
 そんなこともあって、自給飼料関係とか、苦手な気持ちが今もあります。
 先日のような電柵の作業とかは良いのですが、草の生育状況とか成分とか種類とかは、どうも苦手です。


 秋に播種したトウモロコシを刈り取ってサイレージにする頃で、この日はSくんがその熟度を見るとのことでした。

 そうは言っても年の功で、「割って見るだけじゃねえで、粒をつまんで見れや、噛んでみれ」とか「畑ん端だけじゃねえで、中ん方も見るんじゃ」など、エラそうに言ってしまいました。
 ですが、事実、圃場の中程と外側では違いがあった次第です。
 私が言ったんではなくて、経験がものを言ったのでした。


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実を割って判断しているSくん。日差しは良かったですが、風が強くて寒かった1日でした

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興で普及活動の第二幕、北部振興局で普及活動第三幕を終えた矢先、北部からさらなる要請があって第4幕が上がった。なかなか自分のやりたいことに集中できない、でも断れないジレンマを抱えながら、それでも全力で普及員をやる気持ちです。

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