広島県
延安清香
延安清香
広島県西部農業技術指導所芸北地域チームで、野菜と集落農場型農業生産法人の育成・支援を担当しています。普及員暦12年(途中3度の育児休業あり)。その間生活、情報と担当してきましたので、幅広い支援が出来る普及員を目指しています。
2010.11.30
広島県内最大のブロッコリー産地であるJA広島北部管内(安芸高田市・北広島町)で、ブロッコリーの出荷が最盛期を迎えています。
今までは生産者ごとに選果し、共通のダンボールによる共同出荷(個選・共販)でしたが、今作は選果場を整備し、共同選果・出荷をおこなっています。
個別選果では、人により大きさ・品質等がばらつくことがありましたが、共同選果場へ出荷することにより、そのばらつきをなくし、市場評価を上げ、販売力を上げることができます。
さらに、生産者が収穫し、箱詰め等出荷までの作業時間の約60%を占めていた出荷調整作業をなくすことにより、生産者一戸あたりの面積の拡大をめざすことができ、産地のさらなる発展を期待しています。
左 :逆さまに置き花蕾の大きさと重量で選果します / 右 :サイズごとに分けられ箱詰めされます
ちなみに、今回導入されたブロッコリー選別機は、しいたけの選別に使われる機械をブロッコリー用に改良したもので、全国でも珍しいものとなっています。
当産地のブロッコリーは、おもに大阪・中国地方に出荷しています。見かけたらぜひご賞味ください。
2010.09.28
稲の種籾は、「主要農作物種子法」で、
「主要農作物(稲・麦・大豆等)の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産についてほ場審査その他の措置を行うこと」 と定められています。
そのため、主要農産物を生産している地域の普及指導員は審査員となり、主要生産物生産ほ場において、栽培中の農作物の出穂、穂ぞろい、成熟状況等について審査したり、発芽試験を行ったりします。
私が担当している安芸高田市は、10品種、約47haの種籾を栽培しています。
審査は7月中旬から8月下旬まで、炎天下で行われます。今年は特に暑かったです!
左 :暑い中の作業でした / 右 :大豆の発芽試験の様子です
農協の営農指導員と栽培農家の立会いのもと、突然変異株や病害虫に侵された株を抜き取ったり、雑草が生えていたら農家に抜き取ってもらうよう、指示させていただきます。
当事務所管内では、稲の他に麦と大豆の採種ほもあります。良質の種子生産には欠かせない仕事です。
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2010.08.24
7月29日に、三市二郡農業士等合同研修会が、北広島町で開催されました。
この会は、三次市・庄原市・安芸高田市・山県郡・世羅郡の農業士の方が集まり、毎年持ち回りで行っています。
今年は「次世代を考える」をテーマに、青年が中心となってミニトマトを生産している「ファーム旬彩」を視察、特定農業法人と大型稲作農家との連携で特別栽培米等の生産販売を行っている(株)大朝農産の事例発表、そして、パネルディスカッションが行われました。
パネルディスカッションでは、「次世代を考える」をテーマに、30歳代の青年農業者6名と特定農業法人の代表理事2名からお話をうかがいました。
青年農業者からは、農業を始めたきっかけや、就農時に苦労した点などを話していただき、普及指導員として支援出来ることは何かを、改めて考えるきっかけとなりました。
左 :(株)大朝農産社長には質問が相次ぎました / 右 :貴重なお話をありがとうございました
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2010.07.22
中山間地域の水田は法面が大きく、畦畔の草刈は重労働で、危険を伴う作業です。
シバザクラや芝の一種であるセンチピードグラスを植え、草刈の作業を減らす方法がさまざまな場所で行われています。数年前から、センチピードグラスの苗を直接畦畔に植える方法を集落法人などに紹介してきましたが、植え付け作業も大変です。
しかし、直接種を吹き付ける方法があり、省力化になるということで、その方法・効果を農業者の方に直接見てもらうため、二日間二会場で現地研修会を開催しました。研修会には、関係者含め約百人が参加。関心の深さがうかがえます。
左 :研修会が始まると雨が止みました / 右 :参加者は興味津々です
まず普及指導員が、吹き付け前の作業内容を説明し、業者による実演作業が行われました。
吹き付け作業はあっという間に終了。センチピードグラスがきれいに畦畔を覆ってくれることに期待しています。
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2010.06. 7
普及指導員も日々勉強しなくてはいけません。年に数回研修をし、自ら研鑽(さん)をしています。
今回は、水稲の育苗の省力化技術として、「プール育苗」を勉強しました。
「プール育苗」は、広島県内で導入されている技術ですが、まだ少数派です。
しかし、従来の方法では、特に大規模に水稲を植え付ける法人では、日々のかん水作業・温度管理が負担になっています。さらに、かん水ムラや病気などによる苗の事故も増えてきます。
これらを解消する技術として、プール育苗が注目されています。
研修当日は、私を含む農産担当者・法人担当者等、プール育苗に興味がある普及指導員が参加しました。
実際に現場を見てみると「本当にプールに稲が漬かっている!」状態でした。ハウスいっぱいに広がっている稲は、まるで芝生のようでした。
左 :ハウス内は加温しなくても暖かい。水温があるためハウス内の温度は安定している
右 :水に漬かっているためカビは生えない
おじゃました法人では、毎年2万枚の苗を生産し、その大部分を販売しています。
「プール育苗はよいことばかり」と、とても満足そうなようすが大変印象的でした。
左 :組合長(右側)にはお忙しい中お世話になりました
右 :先輩普及指導員(左側)が後輩(右側)に技術のポイントを伝授中?!