これって”神業”ならぬ”紙技”
2009.10. 8
和牛の肥育経営では、肉質による価格差が大きく、一般的な肥育農家においては、上質肉生産を目指した飼養管理が行われています。
一方で、肥育牛の肉質は、枝肉にしてみないと分からないとも言われており、様々な方法で肉質を予測する技術や手法が現場で実施されています。
私達、畜産技術普及グループでは、「肥育牛外貌記載評価表」を活用しています。これは、肥育牛の生体について、8項目の数値や外観を点数化し、50点中40点以上あるかどうかで、上質肉になるかどうかの境目であると判断するものです。チェック項目が8項目と少ないので、1頭あたり、ほんの数分で点数がつけられるという利点があります。
実際、今夏に行われた県の枝肉共進会では、40点以上と評価した牛の76%が「上物(肉質が4・5等級と優れたもの)」であったのに対し、40点以下では20%の上物となっており、大きな差がありました。
40点以上に評価される牛を選ぶことで、上質肉の割合が高まるとともに、肥育農家がそのような牛を育てることを目標として取組むことで、技術向上にもつながるよう期待されます。
和牛肉は、柔らかさと風味の豊かさが特徴であり、消費者は上質な肉を求めています。そのための一助として、引き続き「肥育牛外貌記載評価表」を活用しながら、その精度を高めるとともに、肥育農家がより上質肉を生産できるよう、アドバイスをしていきたいと思います。
肥育農家が丹精込めて育てた「しまね和牛肉」を、是非ご賞味下さい。
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右上 :県内肥育農家の牛舎の様子。いつも清潔な状態で管理されている。
左下 :肥育の審査に使う”外貌記載評価表”
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