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北海道
田所由理恵

ベリー大国北海道

2014.12. 5

 「実は、北海道の小果樹栽培は、栽培面積が全国1位という種類が多いのです!」

 先日開催された「道南小果樹栽培セミナー」での冒頭の一場面です。この一言に出席者はググッ! と引き込まれていきました。


 みなさん、「小果樹」というと何を思い浮かべますか?
 まずはブルーベリーでしょうか?

 北海道で把握している小果樹栽培面積は表のとおりですが、この他にも直売用や加工用など、把握しきれていない面積もあるはず...なので、実際の栽培面積はもう少し多いかと思います。栽培市町村名を見ると道南・道央・道東と、比較的道内各地で栽培が取り組まれいるのも特徴でしょうか。
 それにしても、こんなに1位の小果樹が多い事にびっくり! です。


北海道の小果樹栽実態(H24)
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左から、ハスカップ、ブルーベリー、アロニア、シーベリー


それぞれに含まれる機能性成分により、健康食品として注目されて栽培が広がっていますが、課題も多く、なかなかうまく行っていない産地が多いのが現状。農村の高齢化や後継者不足の中、軽量作物として労働などの点からも着目されていますが、収穫・選別作業や加工・流通面の課題も多く、地域で取り組む時には課題も理解し、しっかり考えて取り組みましょう! という主旨のセミナーでした。


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左 :「道内での小果樹栽培の課題と将来性について」
 北海道農政部技術普及課道南農業試験場技術普及室 小坂主任普及指導員
右 :「ブルーベリー栽培上の課題と改善策について」
 (地独)道立総合研究機構農業研究本部中央農業試験場 池永研究主任


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左: 事例発表「アロニア栽培と商品開発について」 大沼アロニア果樹園 東出伸司氏
右: 大沼アロニア果樹園のアロニアを使用したジャム(他に、アロニアジュースの試飲もありました!)


 これまで、果樹といえばりんご・なし・ぶどう等の大果樹(経営を担当していた若い頃、償却資産の計算に苦労した思い出が...(-_-;))が主流でした。その陰で小果樹は少しずつ増加しており、とうとう表舞台に出る時代がやってきました!

 会場には、前々任地でお世話になったアロニア生産者の方々の姿もありました。
 私がお世話になった頃から10年近く経つのですが、現在、北海道のアロニア産地として確立し、道内の他産地を牽引する位置づけになっているのは、決して若くはない(...失礼ですね...(^^;))あの生産者のみなさんの努力のたまもの...と、なつかしいお顔を拝見しながら感慨深いものがあると同時に、その歴史の中の一部に関われたことを幸運に思いました。


 普及活動に関わる年数や異動による勤務箇所数が多くなると、自分が若い頃ともに悩んできた青年達が立派な経営主になっていたり、導入した生産物が産地として確立していたり、まいた種(例えば若手女性農業者の活動等)が芽を出し活動が発展していたり...と、時の流れとともに動いてきた経過が体感できることがあります。農業者ご本人の努力はもちろんですが、その農業者や活動を支えてきた関係者や普及指導員の努力を感じる事も少なくはありません。

 自分の時代だけでは成果が出せないことも、時の先を考えるとムダにはなっていないハズ...と思いたいのは、自分の甘えでしょうか!?(^^;)


 北海道が「ベリー大国北海道」となる日は、近い将来必ずやって来ます!!
 その日が来るのが楽しみです!
 

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

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