れんこん新品種育成への取り組み(その3)
2009.08.11
今回は、久しぶりに「れんこん」の話題です。
徳島の主力品種は「備中」ですが、この品種は晩生種であるため、れんこんが太る頃に台風の被害を受けやすいという欠点があります。
そこで徳島県では、備中に代わる、早生の新品種育成に取り組んでいます。
先日、現地試験圃場で収穫作業を行いました。備中なら、まだ「れんこん」が出来ていない早期に掘り取りを行い、有望な系統を選抜する、という作業です。
れんこんは、収穫作業に熟練の技を必要とするので、栽培農家にお手伝いいただいています。
みなさん! れんこん掘りは、本当に難しいですよ!! 私は何回やってもうまくいきません。
一方、プロのみなさんはスイスイと・・・。まるで、地中を透視しているかのよう。恐るべし!
レンボリーと呼ばれる機械で、表土を取り除きます。れんこんを傷つけないよう、慎重に! 農家のみなさんは、まるで手足のように機械を操ります。惚れ惚れするような機械さばき。
表土を取り除いたら、仕上げはプロの手仕事です。彼らには、土中の「れんこん」が見えています・・・。 素人が掘ると、なかなか「れんこん」には辿り着けません。せっかく辿り着いても、途中でポッキリ! という事がよくあります。綺麗に掘り出すのは大変です。
さて、作業の結果、5系統中1系統だけ、有望なれんこんが選抜できました。
今回は、完全な形の「れんこん」の収穫が目的ではないので、写真のような細いものしか収穫出来ませんでした。
しかし、早生の新品種育成の手応えを確かに感じることが出来て、大変有意義な1日でした。
左 :メタボなアスパラガス、ではありません。出来かけの「れんこん」。これはこれでおいしそうですネ! 刺身で食べられないかなぁ?
右 :有望系統の様子。徳島向きの長い形です。きちんと太れば良い物になりそう!? ちなみに備中や他の系統は、全く太っていませんでした。
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