仕事始めは
2009.01.13
初めまして。徳島県鳴門藍住農業支援センターの吉原と申します。どうかよろしくお願いいたします。
私の2009年最初の仕事は、「藍」から始まりました。
徳島県立農業研究所からメールで、「他県の図書館から、藍畑と藍玉(あいだま)の写真を送って欲しいと頼まれたのだが、持っていないか?」との問い合わせが。かつて藍の研究をしていて、研究所HPの藍に関する部分も作った関係で、今でも全国から色々な問い合わせがあるのです。
左 :女性グループの藍染め研究会で講演させていただいた事もあります。
右 :長葉の品種「小上粉(こじょうこ)」、草丈は60cm位。丸葉や縮葉の品種もあります。
藍と言えば徳島の歴史、日本の文化を語る上で欠かせない作物です。
かつて徳島では15,000ha(1903年頃)も栽培され、作られた染料は全国に出荷されていました。まさに「ジャパンブルーのふるさと」だったのですね。
残念ながら、今ではわずか20ha程が残るのみです・・・。しかし最近では天然染料の良さが見直されつつあり、また藍が含有する機能性成分の研究が進み、皮膚炎の治療薬等への利用で注目されるなど、新たな需要も起きつつあります。
話を戻しましょう。私はメールに答えるべく、写真を探すことにしました。
しかし一つ問題が。「藍畑」の写真はたくさんあるのですが、「藍玉」の写真が無い!藍玉とは、染料である「すくも」を搗き固めて作った塊の事ですが、現在は製造されていないシロモノ。これは困った・・・。このままでは県庁一の藍博士(自称です)のプライドが許さない、と。そこで藍住町歴史館「藍の館」に行き、副館長の阿部氏にお話ししたところ、快く応じていただき、「藍玉」の写真を撮影出来ました。その後阿部氏とひとしきり藍談義。改めて藍に関する現状と課題を確認する機会となりました。
左 :「藍の館」中庭。昔の「藍こなし」と呼ばれる作業を表した像。現在でも炎天下に行われる藍の収穫作業は過酷です。
右 :藍染め体験用の染色槽。液の色は青ではなく褐色。なぜ青く染まるのかは前述の農業研究所HPをご参照下さい。
左 :「すくも」 :藍の葉を堆肥状にしたもの。すくも造りは色素indigotinを 濃縮する為の作業です。
右 :これが「藍玉」。すくもに砂を混ぜて搗き固めた物。
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